需給動向 国内 |
冷凍品輸入量の減少に伴い、在庫の取り崩しが継続 |
輸入量、冷蔵品は増加、冷凍品は減少傾向が継続 豚肉輸入量は、平成24年秋以降、冷蔵品は増加、冷凍品は減少傾向で推移している。12月においても同傾向は継続し、冷蔵品が2万7185トン(前年同月比21.3%増)と大幅に増加したものの、冷凍品が3万5800トン(同2.7%減)とわずかに減少し、合計では6万2991トン(同6.4%増)となった(図4)。
なお、豚肉調製品(HSコード1602-41-090、1602-42-090、1602-49-290)の12月の輸入量は、1万6642トン(同7.0%増)と9カ月連続で前年を上回った。 この背景としては、近年、より安価な加工品代替原料として米国産を中心に輸入が増加している中、前述の冷凍品輸入量減少に伴い、その代替需要が加わったことが要因と思われる。 ただし、現地パッカーの製造能力が限られていることなどから、豚肉輸入量の減少分をカバーするには至っていない。また、現地相場高、円安傾向も継続するとの見方も強いことから、当面、輸入豚肉の物量不足が解消される見通しは立っていない。 在庫量、約10年ぶりの低水準が継続平成25年12月の豚肉推定期末在庫は、全体の約85パーセントを占める輸入品が12万8244トン(前年同月比10.4%減)、国産品が2万1966トン(同2.8%増)となり、合計では15万210トン(同8.7%減)と、11月に引き続き15万トン台前半の水準となり、この1年間で、1万トン程度の在庫が取り崩されたこととなった。12月はかろうじて15万トンを上回ったものの、今後、仮に14万トン台となれば、16年2月以来、約10年ぶりに15万トンを割り込む水準となる。この在庫状況も、昨年から続く好調な豚肉相場の一因となっているとも考えられる(図5)。 豚肉在庫は、全体の約85パーセントが輸入品、さらに、全体の約95パーセントが冷凍品という構成となっており、冷凍品の輸入動向と密接に関係している。国内の豚肉生産量は微増で推移しているものの、前述のとおり、今後も豚肉冷凍品輸入量が増加する見込みが立たない中、在庫量の水準についても注視する必要がある。
(畜産需給部 藤原 琢也) |
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