需給動向 海外 |
米国からの生体牛需要が鮮明に
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2015年2月のフィードロット飼養頭数は減少 カナダ畜牛協会(CCA)が2月13日に公表したフィードロット飼養動向調査によると、2015年2月1日時点のフィードロット飼養頭数は、前年比11.3%減の86万8900頭とかなり大きく減少し、6カ月連続で前年を下回った(図4)。減少の要因として、牛飼養頭数が横ばいで推移する一方、肥育牛頭数が減少している米国からの生体牛需要が増加したためとみられる。米国農務省(USDA)が毎月公表している生体牛輸入頭数を見ると、2014年のカナダからの生体牛輸入頭数は同19.0%増の124万2000頭と大幅に増加していることからも、カナダの生体牛が米国のフィードロットなどへ流れていることが分かる。
2015年1月の導入頭数は大幅に減少 このような状況の中、2015年1月のフィードロット導入頭数は、前年同月比32.6%減の9万564頭と大幅に減少した。この要因の一つとして、現在、牛群拡大に向け繁殖雌牛の保留が進んでいることから、肥育もと牛向けの雌牛頭数が減少していることが挙げられる。フィードロット導入頭数のうち、雌牛は同55.2%減となっており、繁殖段階での生産者の保留傾向が高まっている状況が読み取れる。 堅調な需要により、と畜頭数も増加 米国の肥育牛頭数減の影響は、カナダのと畜頭数の増加にも表れている。2014年のと畜頭数は前年比3.1%増の284万3000頭となった(図5)。これは、輸出の約7割を占める米国からの需要の増加(図6)などを受けたものとみられる。
頭数減を受け、肥育もと牛価格は高値続伸 2014年12月の肥育もと牛価格は、前年同月比179.3%高の100ポンド当たり297カナダドル(1キログラム当たり693円:1カナダドル=105円)となった(図7)。肥育もと牛価格は、繁殖雌牛頭数の減少により肥育もと牛頭数が低水準であることや、米国からの生体牛需要の増加などを背景に2013年9月以降、前年を上回って推移している。
(調査情報部 山神 尭基)
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