需給動向 国内 |
1月の推定期末在庫、輸入品は積み増すも、
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平成27年1月の鶏肉需給は、生産量12万4079トン(前年同月比0.6%増)、輸入量4万3556トン(同23.3%増)、推定出回り量16万1134トン(同7.0%増)となり、推定期末在庫は前月より6501トンを積み増し、12万4518トン(同13.6%増)となった(農林水産省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。 推定期末在庫の内訳を見ると、国産品は1万5458トン(同31.3%減)と需要の増加に伴う凍結回しの減少により、在庫水準の低下が顕著となっている。一方で、輸入品は10万9060トン(同25.1%増)と輸入量の増加に伴い、増加傾向で推移している。 2月の卸売価格、引き続き、堅調に推移 このような状況の中、2月の卸売価格(東京)は、もも肉が1キログラム当たり661円(同3.1%安)、むね肉が同331円(同23.5%高)となった(図3)。 もも肉は、最需要期を終えて下落基調にあるものの、米国からの牛・豚肉の輸入遅延や高値による代替需要により、鶏肉の荷不足感が強まっており、前月に比べた下落幅は20円(前年28円)にとどまった。一方で、むね肉は、加工向け需要が旺盛なほか、量販店などでの売れ行きが好調であり、27カ月連続で前年同月を上回る高値が続いている。
平成25年のブロイラー経営、相場上昇を反映して経営収支が改善 農林水産省が平成27年2月13日に公表した「平成25年個別経営の営農類型別経営統計(経営収支)」によると、平成25年のブロイラー養鶏経営(全国)の1経営体当たり農業粗収益は1億648万7千円(前年比7.7%増)、農業経営費は9987万2千円(同6.5%増)となった。この結果、農業粗収益から農業経営費を差し引いた農業所得は661万5千円(同30.6%増)となった(表1)。 コスト面では、農業経営費の7割近くを占める飼料費(同8.5%増)が配合飼料価格の高止まりを反映して上昇したほか、農業雇用労賃(同35.6%増)や動物費(同5.5%増)、光熱動力費(同6.9%増)などが前年を上回った。一方で、収益面では、ブロイラー販売羽数が21万3304羽(同1.4%増)と前年を上回ったほか、好調な需要を反映して相場が前年より11%上昇(鶏肉卸売価格(東京)のもも肉1キログラム当たり卸売価格およびむね肉1キログラム当たり卸売価格の単純合計(円/2kg)は、24年が764円、25年が847円)したこともあり、経営収支は大幅に改善することとなった。 ブロイラー販売羽数別の農業所得を比較すると、20万羽以上の経営においては、10万羽未満の経営の約6倍となっており、経営の大規模化が収益性の向上につながっていることがうかがえる。
(畜産需給部 二又 志保)
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