需給動向 国内 |
農林水産省が平成27年2月13日に公表した「平成25年個別経営の営農類型別経営統計(経営収支)」によると、平成25年の採卵養鶏経営(全国)の1経営体当たりの農業粗収益は4787万7千円(前年比10.8%増)、農業経営費は4324万5千円(同3.0%増)となった。この結果、農業所得は463万2千円(同286.6%増)と4倍近く増加し、経営収支が大幅に改善された(表2)。 コスト面では、農業経営費の約7割を占める飼料費が7.3%増加しており、配合飼料が高止まりしている状況を反映した結果となった。一方、農業粗収益は、好調に推移した鶏卵相場を受け、約1割増加している。よって、25年は、コストの増加を上回る収益が発生し、好調な経営環境であったと考えられる。 飼養羽数規模別に見ると、1万羽未満の中小規模農家の農業所得は177万円であり、3万羽以上の大規模経営の農業所得は1657万8千円と、9倍近くの差が生じている。 また、農業経営費を比較すると、大規模農家と中小規模農家の間で、1羽当たりの生産コスト(農業経営費を月平均飼養羽数で除したもの)では約1200円、鶏卵1キログラム当たりの生産コスト(農業経営費を鶏卵生産量で除したもの)では約30円の差が生じている。 これらの数値からも、規模拡大による経営の効率化が、採卵鶏経営の収益性に寄与していることがうかがえる。
(畜産需給部 藤原 琢也)
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