需給動向 海外

◆世 界◆

トウモロコシ生産量、
アルゼンチンの単収増により上方修正


 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が3月10日に公表した「Grain:World Markets and Trade」によると、世界のトウモロコシ生産量(2014/15年度)は前月の予測値から160万トン下方修正され、前年度並みの9億8966万トンと見込まれる(表9)。これは、天候に恵まれたアルゼンチンの単収が上方修正されたものの、南アフリカで受粉期の乾燥により単収の減少が見込まれることから、前月の予測値から下方修正されたことによる。

 輸入量は、多くの在庫を抱える中国の大幅な輸入減が見込まれることなどから同9.2%減の1億1782万トンとしている。一方、輸出量は、中国を中心とした需要の減少により同9.2%減の1億1782万トンとしている。

 また、消費量は、3年連続での豊作見込みや高い在庫水準により価格が安定することで各国の増加が見込まれることから、同2.5%増の9億7652万トンとしている。なお、期末在庫は、生産量が前月から下方修正された一方、消費量が上方修正されたことから、同7.6%増の1億8528万トンと見込まれる。

表9 主要国のトウモロコシ需給見通し(2015年3月10日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「Grain: World Markets and Trade」
  注:各国の穀物年度 世界、米国、ウクライナ:9月〜翌8月/中国:10月〜翌9月/
    アルゼンチン、ブラジル:3月〜翌2月

大豆生産量は記録的な水準を維持

 USDA/FASが3月10日に公表した「Oilseeds:World Markets and Trade」によると、世界の大豆生産量(2014/15年度)は、主要生産国の生育状況が良好なことから、前年度比11.0%増の3億1506万トンとしている(表10)。

 輸入量は、前月の予測値とほぼ変わらず、同2.5%増の1億1408万トンとしている。一方、輸出量は、米国やアルゼンチンでの増産が見込まれることから、同3.9%増の1億1742万トンとしている。

 また、消費量は、世界的な需給の緩和による価格低下により増加が見込まれることから、同5.5%増の2億5419万トンとしている。なお、期末在庫は、中国でわずかに減少するものの、主要生産国で大幅な増加が見込まれることから、同35.0%増の8953万トンとしている。

表10 主要国の大豆需給見通し(2015年3月10日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「Oilseeds: World Markets and Trade」
  注:各国の穀物年度 世界、米国、ウクライナ:9月〜翌8月/中国:10月〜翌9月/
    アルゼンチン、ブラジル:3月〜翌2月
(調査情報部 渡邊 陽介)

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