需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

1月の牛乳等向け処理量、11カ月ぶりに増加


 平成27年1月の生乳の牛乳等向け(注1)処理量は、31万4487キロリットル(前年同月比0.2%増)となり、11カ月ぶりに前年同月を上回った(農林水産省「牛乳乳製品統計」:図4)。

牛乳生産量は1.0%の増加

 処理量が増えた理由としては、仕向け先の大部分を占める牛乳の生産量が、1月に24万1217キロリットル(同1.0%増)と増加したことが挙げられる。内訳をみると、学校給食用が3万789キロリットル(同3.6%減)、業務用が2万2849キロリットル(同5.8%減)と減少した一方、量販店などで販売される直接飲用向けが18万7579キロリットル(同2.7%増)と増加している。

 なお、成分調整牛乳の生産量は、2万6788キロリットル(同2.7%減)と、4カ月連続で減少した。

図4 牛乳等向け生乳処理量と牛乳生産量の推移
資料: 農林水産省「牛乳乳製品統計」

1世帯当たりの牛乳購入量が回復

 牛乳は消費期限が短いため、生産量の増減は消費動向と関連性が高い。1月の家計消費をみると、全国・2人以上の世帯の1カ月当たりの牛乳購入量は、5.97リットルと、前年同月の6.01リットルと同水準にまで回復した(図5)。26年度の牛乳購入量は、夏から秋にかけ前年同月を5パーセント近く下回る時期もあったが、最近は減少幅が縮小している。しかしながら、大手乳業は4月からの価格改定(注2)を予定しており、これが消費にどれだけの影響を与えるかが注目される。

乳飲料は伸び悩み、はっ酵乳は再び増加傾向

 牛乳等向け以外の仕向け先をみると、乳飲料の生産量が9万7872トン(同1.7%減)となった(図6)。機能性をうたった商品が、消費者の健康志向に合致したことから、22年度から25年度まではほぼ毎月堅調に推移していたが、26年3月以降11カ月連続での減少となった。

 また、はっ酵乳の生産量は、8万3181トン(同5.9%増)となった。23年8月以降、ほぼ一貫して増加していた生産量は、26年3月以降前年割れが続いたが、12月以降は再び増加基調となっている。

注1:牛乳と加工乳、成分調整牛乳を仕向け先としたもの。乳飲料、はっ酵乳は含まれない。

  2:牛乳や乳飲料、はっ酵乳の値上げが発表されている。

図5 全国・2人以上世帯の牛乳購入量の推移
資料:総務省「家計調査」
図6 乳飲料とはっ酵乳の生産量の推移
資料: 農林水産省「牛乳乳製品統計」
(畜産需給部 岡 久季)


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