調査・報告 専門調査 畜産の情報 2015年4月号
宮城学院女子大学 学芸学部生活文化デザイン学科 教授 安部 新一
【要約】 ホクレン農業協同組合連合会(以下「ホクレン」という。)は、2012年にシンガポール、2013年にはタイへ、北海道産乳用種と交雑種の牛肉の輸出を開始した(2013年度の輸出量は約2.6トン)。 1 はじめに牛肉の輸出額は、口蹄疫や東日本大震災に伴う原子力発電所事故の影響もあって、2008年以降減少傾向で推移し、2010年には34億円まで減少した。その後は、増加傾向に転じて、2014年には81億7000万円と過去最高額となっている。 これまで牛肉の輸出は、畜種別にみてほぼ和牛肉であり、そのため主に九州や東北などの和牛産地が中心となっていた。 北海道では、2012年以降、ホクレンが中心となって北海道産乳用種と交雑種の牛肉の輸出を開始した。 そこで、ホクレンの輸出事業への取り組みの経緯と背景、産地側の対応、と畜場認定取得への準備作業から、輸出開始後の輸出業務の実態を明らかにし、さらに、輸出促進を図るための課題と方向性を取りまとめることを目的に調査を実施した。 なお、為替レートは、1バーツ=4円(2015年2月27日TTS相場:3.77円)を使用した。 2 経緯きっかけは、2012年2月頃、十勝管内の肉牛生産者グループが、シンガポールで開催される十勝産農産物の展示商談会への畜産物の出展について、相手国開催者側から要請されたことに始まる。十勝管内の肉牛生産者から相談を受けたホクレンは、組織として北海道産牛肉の輸出に取り組むことになった。 これまで、わが国からの牛肉輸出は和牛肉が中心であった中、ホクレンは、和牛肉ではなく乳用種と交雑種の牛肉を輸出対象とした。その背景には、ホクレン組織内での牛肉販売事情があった。 ホクレンは、現在、和牛肉は枝肉中心の販売を行っていることから、部分肉販売が求められる輸出には乳用種と交雑種の牛肉を選択したのである。 2012年には、シンガポールへの試験的な輸出を開始し、翌2013年初めには定期的に本格的な輸出を目指すために市場調査を実施している。 その結果、同国では、牛肉販売の対象顧客は富裕層であり、「価格が高くても美味しいものを食べたい。」というニーズが強く、きめ細かなサシが入った牛肉に需要があることがわかった。 これを受けて、同年からシンガポールへは交雑種牛肉を主体に本格的な輸出を実施することとした。 一方、タイでも、2013年に試験的輸出および市場調査を行った。 乳用種牛肉は、タイフレンチ(注1)より風味の面で評価されているものの、価格競争力が弱く、また、日本産牛肉のイメージはサシの入った和牛肉であり、サシの入りがない乳用種は、現地商談会での取り引きに結び付かなかった。 しかし、2014年の3月頃から、競合するタイフレンチや豪州産や米国産牛肉の値上がりにより、タイ国内での乳用種牛肉に対する需要が高まり、タイの卸売業者などからは問い合わせや発注が入るようになっている。 ただし、タイへの輸出は、本調査段階において軌道に乗っておらず、本格的な輸出に向けての取り組みを強化する段階にある。
(注1) 「タイフレンチ」とは、タイ国内の肉牛にヨーロッパのシャロレー種を交配させた牛のこと(写真1、2)。
3 日本国内での輸出体制の整備ホクレンは、牛肉のと畜解体処理について、シンガポール向けは、岩手県の(株)岩手畜産流通センターに委託することとした。 一方、タイ向けは、関連会社である(株)北海道畜産公社の道内2事業所6工場で実施することとし、2012年3月に輸出認定施設として申請された。 タイ向け輸出に関しては、以下の3点が審査されるが、認定に当たってタイからの改善箇所の指摘は皆無であった。 (1)と畜場法、食品衛生法などの関係法規を遵守していること (2)と畜・解体から分割まで一貫して行われていること (3)「対タイ輸出牛肉取扱要領」に基づいた輸出基準の遵守体制が備わっていること そこでこれらの審査内容が日々の作業の中でどのように遵守されているか、また具体的な輸出手続きはどのようになっているかを見てみよう。 (1)関係法規の遵守 と畜場法、食品衛生法など関係法規の遵守については表1のとおりである。 具体的には、北海道が食品衛生監視指導計画に基づき、と畜場および食肉処理場に対して最低でも年に2回、多いところでは毎月立ち入りを実施し、施設・設備および機械・器具類の衛生状況の監視指導を実施している。 さらに、監視指導時に記録簿の点検、自主衛生管理に基づくと畜場での枝肉など、食肉処理場での製品や使用器具などのそれぞれの細菌検査結果の確認が行われており、日常的にも関係法規を遵守する体制が整備・構築されている。
(2)と畜・解体から分割までの一貫処理 次に、審査内容としては、と畜・解体から分割まで一貫して行われていることの確認作業である。 まず、生体搬入時に、搬入者から提出された「と畜処理依頼書」および生体に取り付けられた10桁の耳標番号に基づき、日本で生まれ飼育された牛であり、さらに30カ月齢未満で輸出用に適していることの確認作業を行い、自社の電算システムに入力を行っている。 と畜・解体作業中は、合札(ネック番号)により管理し、枝肉計量後には枝肉に貼付したラベルにより管理が行われている。こうした個体確認とと畜・解体作業における個体管理は、マニュアルに基づき日常的に実施されている。 次に枝肉形態から部分肉加工処理、その後の保管管理についてである。部分肉に加工する前日に作成した牛加工指図書と、枝肉に貼付したラベルを照合して輸出向け枝肉であることの確認を行った後に部分肉加工作業を行う体制を採用している(写真3)。 また、部分肉加工処理中にも部分肉に装着したプレートにより確認を行う(写真4)。
さらに、部分肉包装作業後は製品に内ラベル(英字表記)を貼り付け、梱包したダンボールにも保管収納後に外ラベル(英字表記)を貼付け、タイ向け輸出製品の専用冷蔵・冷凍保管庫・保管場所で保管している(写真5〜8)。
(3)対タイ輸出牛肉取扱要領の遵守 さらに、本要領に基づいた輸出基準の遵守体制が備わっていることの確認作業である。この点については、(株)北海道畜産公社および関連各工場の組織図と責任体制図を活用している。 以上のように、牛肉輸出と畜場および食肉処理場の認定に当たっては、衛生管理の向上に努め、さらに食肉衛生検査員などからの指導・助言を得ながら、改善すべき箇所については改善を図っていくことで作業を進めているのが現状である。このため、以下の3点を除き、輸出向けに特別な作業は見られない。 1 その日の作業開始一番に処理作業を行う 2 30カ月齢以下の牛であること 3 特定危険部位(SRM)の除去作業(注2) 注2: 特定危険部位(SRM:specified risk material)とは、 牛海綿状脳症(BSE)の発症原因とされる異常型プリオンが ただし、表2のとおり、輸出業務開始後においては、事務処理上も輸出対象牛肉であることを確認しなければならない。このため、牛肉処理および加工については、生産管理システム帳簿、出庫票、箱詰実績票により確認できるよう、HACCP的管理に基づき実施している。
(4)具体的な輸出手続き タイへの輸出に伴う必要書類の作成は、ホクレン、(株)北海道畜産公社および輸出業務を担当する総合商社が共同で行なっている。 輸出には当然のことながら「輸出証明書」が必要であり、そのために北海道農政事務所に提出する「輸出食品などに関する証明申請書」が必要となる。 また、必要書類として「食肉衛生証明書」、「INVOICE(請求書)」と「Packing List(輸出リスト)」の添付が求められる。 さらに、タイへの輸出では、日タイ経済連携協定(EPA)特別待遇関税により関税が無税となることから、商工会議所へ提出する書類「農林産品に係る生産証明書」が必要であり、そのために「と畜検査証明願」、「出荷牛履歴証明書」、「個体識別番号」の添付が求められる。 このほか、製品とダンボールに「検査済証」を貼付しなければならない(写真9〜12)。 「検査済証」を部分肉やダンボールへ貼り付ける作業はと畜検査員が行う。タイの税関が「Packing List」とダンボールに貼り付けられた検査済証と照らし合わせて確認作業を行っているため、特に、ダンボールへの貼付は、日本のと畜検査員が確認したことを意味するものとなっている。 こうした検査済証の貼り付け作業のため、出荷までの日数は国内出荷より1日多く必要となる。 4 輸出先国の流通体制(1)輸出ルートと流通の担い手の機能と役割 (1)シンガポール向け輸出ルート ホクレンは、シンガポール向けには交雑種牛肉を「HOKKAIDO BEEF(北海道ビーフ)」のブランド名で輸出している。 現段階では、北海道内の(株)北海道畜産公社6工場において、シンガポール向け認定と畜場は皆無のため、岩手県の(株)岩手畜産流通センターがと畜・解体から部分肉まで加工し、書類作成やダンボールへのラベル貼付など作業を行うため、一度、帯広に輸送後に、千歳空港からシンガポールに空輸される。 シンガポールでは2つの販売ルートで末端まで流通している(図2)。 1つ目は、国内の卸売会社(A社)から、同社がシンガポールに設立した卸売会社(B社)を通じて、実需者であるレストランなどへ販売するルートである。 2つ目は、シンガポールに本社のある総合食品会社(D社)が日本に設立した輸出商社(C社)を経由して、系列のレストランへ納入するルートである。 なお、通関時点で、ダンボールを開封して蓄冷材を入れることとしている。 (2)シンガポールにおける流通の担い手の機能と役割 では次に、それぞれの輸出先国における流通の担い手の機能と役割を見てみよう。 B社は、輸入通関業務と販売先への配送業務、新規取引先の開拓を担っている。 また、D社は、輸入通関業務の他、自社冷蔵施設を通じた需給調整機能と、系列外食店舗向けのカット機能および、店舗までの配送機能を担っている。
(3)タイ向け輸出ルート タイ向け乳用種牛肉は、タイ向けの認定6と畜場の1つである(株)北海道畜産公社十勝第2工場で、枝肉から部分肉加工までの処理作業が行われている。 日本からタイ向けへの輸出ルートも大きく2つのルートがある(図3)。 1つ目は、国内の総合商社(E社)から、同社のタイの子会社(F社)を経由して、焼肉店やレストランなど外食店へ販売されるルートである。 もう1つのルートは、タイのF社から総合卸売業者(G社)を経由して外食店へ販売するルートである。 タイ向けもシンガポール向けと同様に、千歳空港からタイのバンコクに空輸される。 なお、シンガポールと異なり、通関時点ではダンボールを開けることができないため、小さなエアーカーゴに製品の入ったダンボールと、蓄冷材を入れたダンボールを混載して輸送している。 (4)タイにおける流通の担い手の機能と役割 一方、タイにおける流通の担い手であるF社は、通関業務が主たる役割であり、現地に貯蔵保管機能を有していない。一方、G社は貯蔵保管機能を有しているため重要な担い手となっている。この2業者は焼肉店などとの取引価格交渉にもホクレンと共に参加しており、新規取引先の開拓やタイ国内の市場動向などの情報収集機能をもつ重要なパートナーとなっている。
このように、今後の輸出拡大を図る観点から、輸出先国でのパートナー選びは極めて重要な要件と考える。 シンガポール向けもタイ向けも輸出取引は日本国内の取引先とのFOB取引(注3)であり、一般的なCIF取引(注4)とはなっていない。 その理由としては、輸出先国到着までの輸送過程での荷痛みや腐敗・品質劣化などのトラブルに伴うリスクを回避するために、日本国内で総合商社とFOB取引を採用している。 このため、ホクレンとしてはシンガポール向けは国内の卸売会社とシンガポール資本の輸出商社、タイ向けは国内の総合商社との取引で決済は終了する。 (注3) FOB(Free On Board)とは、貿易取引を行なう際、貨物を港で本船に積み込むまでの梱包費、検査費、 (注4) CIF(Cost, Insurance & Freight)とは、貿易取引を行なう際、貨物を港で本船に積み込むまでの梱包費、 5 輸出後の状況(1)輸出先国における販売状況と評価 (1)シンガポール向け シンガポール向けに輸出している交雑種牛肉の出荷月齢は24〜25カ月齢で、格付けは3等級が中心である。 交雑種牛肉の取引は部分肉販売がメインとなっているが、現状では月に1回、最大で10頭程度と少ない頭数の取り扱いであるため、大部分の部位が販売できている状況にある。 レストランなどの実需者には各部分肉での販売となっており、輸出量が増えるにつれて、フルセットの各部位をうまく販売しなければ残部位が発生するリスクが高まる。このため、販売ルートの開拓と営業活動の強化が今後、同国で輸出拡大を図るために最も重要な課題である。 (2)タイ向け タイ向けに輸出している乳用種牛肉の出荷月齢は19〜20カ月齢で、格付けは2等級が中心であるが、その中でも品質の高いものを輸出している。 当初、タイで需要の高いロースをチルドで輸出することを目指したが、実需者側から見て高価格のため注文がまったくなかった。 その後、何回か商談会を重ね、焼き肉需要が見込めるカタロースとバラを主要部位とし、フローズンでの輸出に切り替えた。 カタロースとバラを主体とした背景には、このような需要側の事情に加え、国内での部分肉販売の中で夏期はカタロースが、一方で、冬期はバラが、それぞれ売れ行きが悪く不需要部位となるため、その対応策という供給側の事情もあった。 すなわち、夏期と冬期、それぞれの時期に不需要部位のカタロースとバラを冷凍保管することにより需給調整を図り、輸出向けに安定供給を図ることを目指していることが注目される。 ホクレンは、現地卸売業者から、焼肉店・レストランなど実需者への販売価格は1キログラム当たり1000バーツ(4000円)以下でないと継続販売は難しいとの情報を入手したものの、カタロース単品では1キログラム当たり1000バーツ以下の価格での取引は困難であるため、バラの一部であるブリスケットとウチモモを加えた3部位セットでの取引を推進している。 今後は、輸送コストの低減を図るため、1回当たりの輸出数量を3トン以上に増やして船便に切り替えることを検討中である。 (2)産地における販売先の開拓 ホクレンは輸出開始後も積極的に商談会などへ参加し、両国の牛肉市場の動向の把握に努めている(表3)。 その結果、現時点では、シンガポールにおける乳用種牛肉の需要はないと見込まれる一方、交雑種牛肉は、和牛肉価格の高騰もあり需要が見込めることが明らかとなり、輸出対象牛肉の絞り込みにもつながっている。 輸出拡大を図るためには、輸出先国の卸売業者や外食店とのつながりを強めて、消費者のニーズを把握することが極めて重要となる。
具体的な例として、2013年11月にタイのバンコクにおける商談会に来訪した外食業者から、肉のカッティング方法の講習を依頼された。 これを受けて、翌2014年の3月の商談会では、各部位別のカット整形による商品作りの指導を行うなど卸売業者や外食店とのつながりを強めている。 さらに、取引先が展示会などにホクレンの輸出牛肉ブランド「HOKKAIDO BEEF(北海道ビーフ)」を出展する時には、職員を派遣して認知度を高め、販売先の拡大につなげる営業活動を行っている。 そうした取引先を開拓する機会として、輸出先国のみならず国内で開催される商談会なども取引の機会が得られる貴重な場となっている。 6 今後の課題まずは、販売先の開拓である。現在のシンガポールとタイの販売先には焼肉業態などの外食店が多い。これらの需要はバラ、ヒレが主体であり、これまでの輸出実績からみると、このほかにウチモモ、ランプなどで10頭分輸出したが、ロースは5、6頭分に留まっている。実需者側からは新たな商品作りに取り組みたいとして、各部位のカッティング方法の指導が求められており、よりバランスのとれた部位構成で輸出できる可能性がありそうである。 また、輸出先国の卸売業者側においては、実需者からの各部位の要望に速やかに応えられるだけの調整・保管機能を高める必要があり、こうした面で緊密な取引情報が交換できるパートナーの確保が重要である。現段階では、商談会への出展に留まっている営業活動から、パートナーと協力して、広告宣伝・プロモーション活動へと積極的に展開していく必要がある。 コスト削減による取引価格の引き下げも、他国産牛肉との販売競争に生き残り、取引拡大を図るためには必須であるが、その1つが船便による輸送コストの削減である。船便にすると、タイまでの輸送日数は約10日間を要するが、輸送コストは約4分の1となる。しかし、これにはトン単位でのまとまった数量の船荷とする必要がある。 ホクレンとしては、新たな輸出先国の開拓も視野に入れており、北米、ベトナム、フィリピンなどが候補として挙がっている。今後、本格的な輸出を展開するとなれば、産地側としても、国内向けには必要がなかった、輸出・検査関係の書類手続き、箱詰めとそれに伴う検査済証の貼付などの作業を効率的に処理する体制の構築も課題となってくると考えられる。 まとめ牛肉の輸出は増加しているが、2020年の輸出目標は250億円、輸出量4千トンと金額ベースで約5倍の伸びを目標としていることから、目標達成のためには牛肉産地や流通関係者のさらなる取り組み強化が求められる。 当然、わが国からの牛肉輸出においては、高所得者層向けの4、5等級を中心とした和牛肉が主体であり、高品質牛肉を対象品目とし、和牛統一マークのオールジャパンでの取り組みの下で、特定の産地ブランドとしても輸出が行われてきた経緯がある。 こうした中で、ホクレンは、大衆牛肉である乳用種と交雑種の牛肉を輸出対象品種とし、対象を中間層まで広げた販売戦略にチャレンジしていることが大きな特徴である。 タイ向け乳用種牛肉についてみると、豪州産WAGYUや現地産牛肉であるタイフレンチとの、価格を含めた販売競争は極めて厳しいものがある。 その対策として、1キログラム当たり1000バーツ(4000円)以下になるように3部位セットでの販売や、輸出ルートの一部に混載による船便を利用するなどにより、タイの牛肉市場での乳用種牛肉の一定の市場シェア獲得と継続的な輸出を目指して販売強化を図ってきていることが注視される。 一方、シンガポール向けについては、2012年の600キログラムから13年には2000キログラムへと、本格的な輸出を目指して輸出数量を伸ばしてきている。 それを可能にしたのは、系列のレストランを所有し、貯蔵・保管機能やスライスなどのカット加工機能などを有している総合食品会社を、輸出先国のパートナーとして、安定的な取引ルートを構築したことなどがあると考えられる。 ただし、シンガポールでの牛肉市場において、今後、需要増加が見込めるのは、テーブルミートとしての需要より外食店など向けの業務用需要と考えられ、ホクレンは交雑種牛肉を対象に、和牛肉より価格が割安な牛肉を、新たな顧客層へ売り込むことで一定量の継続的な輸出が見込めるとしている。 ホクレンの牛肉輸出への取り組みは、解決すべき課題は多く見られるが、牛肉の輸出を和牛肉から交雑種さらには乳用種牛肉へと広げたこと、さらには国内での季節的な不需要部位を輸出に向けたことが注目される。 これは、乳用種と交雑種の牛肉の不需要部位対策の観点からも、さらには国産牛肉全体の販路拡大の観点からも、注目すべき取り組みであり、今後の展開を期待する好事例である。 |
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