需給動向 海外

◆世 界◆

2015/16年度のトウモロコシの生産量が前月予測より増加


 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が11月10日に公表した「Grain:World Markets and Trade」によると、世界のトウモロコシ生産量(2015/16年度)は、前月予測より上方修正され、前年度比3.4%減の9億7487万トンと見込まれている(表1)。これは、ウクライナの生産量が西部の干ばつの影響により下方修正された一方、米国で天候が順調に推移したことにより単収が上方修正されたこと、アルゼンチンの作付面積が予想より増加した上には種時の天候も良かったこと、ブラジルの2期作目のトウモロコシ作付面積が、先に作付された1期作目の大豆作付面積の拡大につられて増加したことにより、これらの国の生産量が前月の予測値から上方修正されたことなどによる。

 同年度の輸出量は前月よりわずかに上方修正され、同3.2%減の1億2804万トンと見込まれている。ブラジルでの2期作目のトウモロコシ生産増を踏まえ上方修正された。輸入量も同じく、前月の予測値から上方修正された。

 また、消費量は、中国の消費量の減退見込みなどから、同0.4%減の9億7116万トンと下方修正された。期末在庫は、生産量が消費量を上回る見通しとなったことに加え、2013年度からの中国の在庫量がさかのぼって上方修正されたため、同1.8%増の2億1191万トンと見込まれている。

中国による堅調な大豆輸入が継続

 USDA/FASが11月10日に公表した「Oilseeds:World Markets and Trade」によると、世界の大豆生産量(2015/16年度)は、米国の主要穀物生地であるアイオワ州やイリノイ州などでの単収が伸びたことから、米国の生産量が前月の予測値から上方修正され、前年度比0.7%増の3億2102万トンと見込まれている(表2)。

 輸入量は、中国の堅調な輸入需要に支えられ同2.9%増の1億2567万トンと見込まれている。一方、輸出量は、通貨安などによって価格競争力の高まった南米産の増加が見込まれることで、同1.9%増の1億2908万トンとしている。

 また、消費量は、中国などの需要が引き続き増加していることから、同4.5%増の2億7336万トンと見込まれている。この結果、期末在庫は前月より下方修正され、同6.8%増の8286万トンと見込まれている。

(調査情報部 平石 康久)

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