需給動向 国内

◆鶏 肉◆

11月の鶏肉生産量、13カ月ぶりに前月を下回る


 平成26年11月の鶏肉需給は、生産量12万4720トン(前年同月比3.1%減)、輸入量4万1769トン(同23.8%増)、推定出回り量16万4723トン(同5.6%減)となり、推定期末在庫は12万4452トン(同15.2%増)と前月から1766トンを積み増した。

 例年、11月の生産量は、量販店などでの催事が一服し、最需要期の12月を前に減少することが多いが、25年10月以来13カ月ぶりに前年同月比で減少した。これは、産地での寒波の影響などもあり、生体処理羽数・処理重量が低下したことによるものと思われる。

 輸入鶏肉については、より低価格の商品を求める消費者ニーズに対応する商材として需要が伸びており、26年の総輸入量(1−11月計は43万3097トン)は、東日本大震災の影響を受けて大量に輸入が行われた23年(47万1841トン)を超えて、過去最高となる見込みとなった。現地相場高や急激な円安の進行により、11月の輸入単価は前年同月比で32.3%上昇しているものの、国産品の在庫水準の低下や牛・豚肉に対する価格優位性による代替需要の増加を受けて、12月の最需要期に向けた手当てが活発化したものと思われる。

12月の鶏肉卸売価格、むね肉の高値続く

 このような状況の中、26年12月の卸売価格(東京)は、もも肉が1キログラム当たり671円(前年同月比2.8%安)、むね肉は同327円(同22.0%高)となった(図5)。輸入品在庫の増加やむね肉相場の上昇を受けて、もも肉相場の上昇度合いが鈍化した一方で、割安感のあるむね肉は加工向け需要が旺盛なほか、量販店などでの売れ行きが好調とみられ、25カ月連続で前年同月を上回る高値が続いている。

 この結果、もも肉とむね肉の卸売価格の合計は、2キログラム当たり998円(同4.2%高)となった。飼料価格や人件費などの上昇により、かつて800円前後といわれた採算ラインは上昇傾向にあり、25年6月以降19カ月連続で800円を超える水準で推移している。

図5 鶏肉卸売価格の推移
資料:農林水産省「食鳥市況情報」
  注:もも肉+むね肉合計は、もも肉1kg卸売価格とむね肉1kg卸売価格の単純合計(円/2kg)

鳥インフルエンザの発生について

 農林水産省消費・安全局動物衛生課の発表によると、26年12月16日、宮崎県延岡市の肉用種鶏農場において、家畜伝染病である高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜が確認され、肉用種鶏約4千羽が殺処分された。続いて、12月29日、宮崎県高岡町において肉用鶏約4万2千羽、12月30日、山口県長門市において肉用種鶏約3万7千羽が殺処分された。

 遺伝子解析の結果、いずれも韓国で流行している鳥インフルエンザと同じH5N8亜型であったが、早期通報・迅速な防疫対応の徹底が功を奏したほか、近隣に比較的農場が少ない環境であったことなどから、いずれの事例も単発で終了している。

 韓国を中心に、周辺各国では高病原性鳥インフルエンザが発生しているほか、日本に飛来する野鳥からも韓国と類似する型(H5N8亜型)の鳥インフルエンザウィルスが確認されるなど、衛生管理について最大限の注意が必要な状況となっている。22年に全国的に本病が発生した際は、1月から2月にかけて発生のピークを迎えており、生産現場での衛生管理の徹底が求められている。

(畜産需給部 藤戸 志保)

元のページに戻る