需給動向 海外

◆世 界◆

2014/15年度の世界のトウモロコシ需給は緩和見込み


 米国農務省海外農業局(USDA/FAS)が1月12日に公表した「Grain:World Markets and Trade」によると、世界のトウモロコシ生産量(2014/15年度)は、南米や中国などで生育不良から減産となったものの、米国で過去最高の豊作となったことなどから、前年度並みの9億8808万トンが見込まれている(表10)。前月の予測値からの変更点としては、米国で単収見込みが下回ったことで、生産量が350万トン下方修正された。

 輸入量は、供給量が飽和状態にあるとされる中国の大幅な減少が見込まれることで、同11.4%減の1億1479万トンとしている。一方、輸出量は、主要生産国の豊作により世界的に供給過剰気味にあることから、減少見込みとされた。

 また、消費量は、エタノール生産量が増加している米国や豚肉生産量が増加傾向にある中国での増加が見込まれており、同1.9%増の9億7116万トンとしている。なお、期末在庫は、生産量が前月から下方修正されたものの、依然高水準にあり、同9.8%増の1億8915万トンと見込まれている。

表10 主要国のトウモロコシ需給見通し(2015年1月12日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「Grain: World Markets and Trade」
  注:各国の穀物年度 世界、米国、ウクライナ:9月〜翌8月/中国:10月〜翌9月/
   アルゼンチン、ブラジル:3月〜翌2月

世界の大豆在庫量は、大幅に回復

 USDA/FASが1月12日公表した「Oilseeds:World Markets and Trade」によると、世界の大豆生産量(2014/15年度)は、好天により生育が良好であった米国や南米の単収見込みが前年度を上回ることから、前年度比10.8%増の3億1437万トンとしている(表11)。

 輸出量は、豊作により価格が下落している米国での増加が見込まれることから、同3.2%増の1億1649万トンとしている。一方、輸入量は、世界的な大豆価格の下落を背景に中国の増加が見込まれることから、同2.2%増の1億1299万トンとしている。

 また、消費量は、主要消費国での増加が見込まれることから、同5.1%増の2億5253万トンとしている。なお、期末在庫は、米国、ブラジルおよびアルゼンチンで大幅に積み増しが見込まれることから、同37.2%増の9078万トンとしている。

表11 主要国の大豆需給見通し(2015年1月12日米国農務省公表)
資料:USDA/FAS「Oilseeds: World Markets and Trade」
  注:各国の穀物年度 世界、米国、ウクライナ:9月〜翌8月/中国:10月〜翌9月/
    アルゼンチン、ブラジル:3月〜翌2月
(調査情報部 山神 尭基)

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