宮城大学 食産業学部 教授 川村 保
【要約】十和田湖に隣接する秋田県北部の小坂町にあるポークランドグループは、年間14万頭を出荷する県内有数の大規模養豚経営である。SPF豚やBMW技術の導入など、特色のある方法で飼育する同グループは、自社ブランド豚肉「桃豚」を武器に、県内にとどまらず、首都圏をはじめ広く県外まで販路を拡大している。企業理念を着実に実行するとともに、バランスの取れた意思決定、内外関係者による強固なバリューチェーンの構築といった優れた組織運営が、同グループの成功を支えるカギであると考えられる。 1 はじめに畜産業では耕種農業よりも急速に構造変化が生じ、小規模畜産農家の淘汰と大規模畜産企業への集中が、昭和36年以降の基本法農政の時代より延々と続いている。本稿で対象とする養豚業は正にその典型であると言えよう。養豚業界では、少数の大規模畜産経営(その多くの場合は企業、またはインテグレーション(生産から販売までの垂直統合)の一端を担う農家)による集中生産体制への移行がかなり進んだ状況にある。生産の集中化により、規模の経済性や経営者能力の発揮・獲得などのメリットが生じ、生産の効率性は飛躍的に高まった。しかし、それ故に、産地間あるいは企業間での競争は激化し、養豚業および養豚経営をめぐる現況は、依然厳しいものがある。 本稿では、秋田県小坂町に立地する大規模養豚経営であるポークランドグループによる、生産から加工、流通・販売の各段階において特色のある取り組みに着目し、同グループの先進的な経営のあり方が、今後の養豚業の高付加価値化や差別化、さらにはマーケティング戦略に対して示唆するものについて検討してみたい。 2 ポークランドグループの概要ポークランドグループの設立のきっかけは、平成2年までさかのぼる。当時、小坂町を含む秋田県鹿角地方では、食肉流通センターの再編が検討されており、その結果、地元農協であるJAかづのを中心に、全農、当時の秋田県経済連が主な出資者となり、併せて近隣のJAも出資した食肉流通センターである(株)ミートランドが設立された。(株)ミートランドの施設は、平成6年に着工し、平成8年より稼働しているが、ほぼ同時期に同グループが発足したことは偶然ではない。当初の(株)ミートランドの運営計画では、主な豚の出荷者がJAかづの管内の大規模養豚組合が中心になる予定となっていた。しかしながら、諸般の事情からその養豚組合が(株)ミートランドへの中心的な出荷者にならない状況となり、(株)ミートランドの稼働を維持できるだけの豚の出荷頭数を確保することが喫緊の課題として浮上した。そこで、当時、JAかづのの畜産課長であった豊下勝彦氏(現在、同グループ代表)が退職して(有)ポークランドを設立し、同社が(株)ミートランドへ豚を供給することになった。このような経緯・背景をたどって(有)ポークランドは設立されたのである。 同グループの概要を表1に示した。規模という点で農場数や飼育頭数を拡大する一方で、多角化という点では、豚肉の加工・直販や堆肥生産などを手掛け、自作堆肥を用いた野菜の生産にも取り組んでいる。量・質ともに順調な成長を遂げてきたと言える。同グループ全体の年間出荷頭数は、調査時点(平成26年9月)では、年間約14万頭を数えるまで拡大した。
3 ポークランドグループの特徴(1)2つのブランドを展開 ア 「桃豚」ブランド ポークランドグループでは、「 同グループでは、種豚を全て全農畜産サービス(株)由利本荘SPF豚センターより導入し、全頭がSPF豚(注1)である。同センターより生後5〜6カ月程度の種豚を導入し、繁殖豚として60日育成し繁殖へ供用。また、出荷する肉豚は、生後約170日程度:110キログラム程度まで肥育するという一貫体制の飼育方法を採用している。飼料は、JA全農北日本くみあい飼料(株)八戸工場から搬入され、仕上期には飼料用米を10%含んだ飼料を給与している。 注1:トキソプラズマ感染症など豚にとってリスクの大きい5つの病原菌を持っていない豚であり、病気にかかりにくい特徴を持つ。 つまり、「桃豚」の代表的な特徴としては、(1)SPF豚であり、健康に注意して飼育されている、(2)地元あるいは県内で生産された飼料用米が給与されていること、が挙げられる。なお、同グループでは、後述する特色のある方法で飼育しており、この他にも多くの特徴を持った形で「桃豚」が生産されている。 なお、豊下代表は、「桃豚」というブランド名について、「(有力ブランドである)黒豚に勝ちたい」という気持ちから、豚肉の桃色に着目し、桃色はきれいなイメージであり、幸せな感じを与える色であることもあって、「桃豚」と名付けたと語っている。 また、ブランド構築のためのプロモーションとして、ロゴマークの制作やテレビCMの放送などを行っている。「桃豚」のロゴやイラストは、同グループのパンフレットなどの販促グッズ以外にも、配送用の軽トラックにもペイントするなど、広く宣伝・浸透に努めている(写真1)。テレビCMは、主に県内で放送され、既に何種類ものバージョンが製作されており、地元アイドルが起用されていることもあって、好評を博しているということである。 なお、同グループでの「桃豚」の位置づけは、あくまで特別な商品というものではなく、日常的に消費されることを目指しており、一般消費者をターゲットに、価格帯は一般的な商品よりもやや高め程度に設定することで、他の商品と大きな乖離が生じないようにする戦略が取られている。
イ 新しいブランド、「秋田美豚」 同グループでは「桃豚」に加えて、「秋田美豚」にも取り組んでいる。「秋田美豚」は、「桃豚」の1つ上のグレードとして位置づけたブランドで、「桃豚」と同様にSPF豚や飼料用米給与に加え、後述するBMW技術やバイオベッドなど、同グループの飼育技術の全てを取り入れており、「桃豚」よりも厳しい条件が設定されている。よって、「秋田美豚」は、同グループで飼育する豚の一部のみとなり、販路は一般の流通ルートではなく、自社での加工製品や自社直販となっている。価格帯は「桃豚」よりも若干高くなるものの、デパートなどで扱われるような贈答品などの高級層を狙っているのではない。飼料調製を工夫することなどで、一層美味しい豚肉が、広く提供できれば良いという良質な商品の提供が豊下代表の信念である。 (2) 先進的な技術でSPF豚を生産 ア BMW技術 ポークランドグループのSPF豚飼育における特徴の1つに、BMW技術(注2)を採用していることが挙げられる。同グループは、BMW技術でふん尿から製造される生物活性水を、豚の飲料水に加えることなどにより、豚の健康や肉質に良い影響を及ぼし、肉の色がきれいな「桃色」になるという効果に注目し、BMW技術を採用した(写真2)。BMW技術の利用により薬が効きやすくなるため、安全面でのイメージが向上し、薬剤コストも削減されるなど、その有益性は高く評価されている。 注2:BMW技術の名称は、バクテリア(B)、ミネラル(M)、ウォーター(W)の頭文字に由来する。BMW技術とは、
このように、一方では病原体を徹底して排除したSPF豚を導入し、他方ではBMW技術により有用な微生物群を活用するという、同グループのユニークな飼育方法は、他の養豚経営ではほとんど聞くことがない。豊下代表も、「SPF豚とBMW技術の組み合わせということで、他社からの視察を多く受け入れてきた。しかし、この組み合わせで飼育を始めたという話は聞いたことがない。結局は、排水処理は固液分離などの一般的な方法になってしまうようだ」と話していた。しかし、このSPF豚とBMW技術の組み合わせが、現在主要な出荷先となっているパルシステム生活協同組合連合会(以下「パルシステム」という。)と知り合うきっかけになったということである。同グループはパルシステムと同じBMW技術に関する研究会の会員であったが、SPF豚とBMW技術を導入して生産している点が評価されてパルシステムに紹介されたということである。このようにSPF豚とBMW技術の組み合わせは、豚肉販売における差別化要素として有効に作用していると考えられる。 イ バイオベッド 同グループの特徴的な取り組みとして、「バイオベッド」の使用も挙げられる。これは、木質チップ、もみ殻、稲わらを原料として、乳酸菌、納豆菌、白神酵母を混ぜて作った混合物を敷料とした深さ40〜50センチメートルの発酵床を利用する方法である。バイオベッド中の菌などの作用によって、衛生的で安全な環境で豚を健康な状態で飼育することが可能になり、抗生物質の使用量が削減されている。また、乳酸菌などの発酵により、悪臭などの発生が軽減されることから、良好な飼育環境が維持される。このため、飼育期間中の敷料の入れ替え作業の必要もなく、省力化が可能となる(写真3)。現在、グループ全体の出荷頭数のうち、約4分の1は、(有)ポークランド第2農場バイオランドの農場において、バイオベッド方式で、残りの4分の3は通常の固液分離方式で飼育されている。固液分離した尿はBMW技術により製造された生物活性水として、グループ全体で活用されている。
なお、養豚において基本的な技術である衛生管理については、SPF豚を採用していることもあって、同グループにおいても徹底されている。疾病対策として出来るだけ他の畜産関係者との接触を避けて輸送する必要があるとの判断から、飼料の搬入に当たっては、コスト増にはなるものの、一般道を回避して高速道路を利用する配慮が取られている。調査中も、グループ会社である(株)まんまランドの駐車場には、ひっきりなしに飼料を積んだトラックが到着し、洗浄してから配送のため農場に向かっていった(写真4)。
現在、豊下代表は、国内では先駆的な取り組みであるアニマルウェルフェアに配慮した一貫生産の実験に取り組んでおり、調査時点では、母豚5頭規模のバイオベッドを準備し、母豚2頭での運用を開始したところであった。この実験では、アニマルウェルフェアへの取り組みが確認できるように、飼育状況をネット上で見られるようにすることも検討しており、同グループにおける生産の透明性への配慮がうかがえた。なお、これはあくまで実験的取り組みであることから、一般に流通販売することまでは考えていないということであった。その他にも、既存のウィンドレス豚舎でのバイオベッド使用による事故率の検証実験を検討しているなど、自ら実証しながら新しい技術の導入を判断するという、豊下代表の科学的で堅実な経営姿勢が大変印象的であった。 (3) 多様な販売チャネル ア 他社を通じた販売 ポークランドグループの豚肉の販売チャネルのうち、生協や量販店などの他社販売チャネルは、グループ全体の販売シェア8割を占め(平成25年)、その内訳は首都圏を対象としたパルシステム、秋田県内を対象としたチャネル(マックスバリュー、イオン、伊徳など)、県外の地方スーパー(山梨県のオギノなど)の3つに大別される。 この中で、同グループの経営上、取扱量、取扱額の両面で大きな影響を及ぼしているのがパルシステムである。安全・安心を重視するパルシステムとの付き合いは、前述のとおりBMW技術を活用したSPF豚の生産というところから始まっている。その後、「桃豚」を評価するパルシステムとの間での取引は拡大していった。高い安全性を追求するパルシステムは、同グループの生産する豚肉の価値を正当に評価してくれる重要なチャネルであると考えられる。生産物の価値を適切に評価する買い手を見い出すことはマーケティングの基本であるものの、現実には、量販店の低価格戦略に巻き込まれているケースが多いと思われる。その中で、同グループが、価値の分かる買い手を確保していることの意味は大変大きいものと考えられる。 秋田県内を対象としたチャネルは、地元でもあり、高い占有率を確保したい市場である。豊下代表も、県内全域での「桃豚」の販売が基本的な方針である。県央から県北にかけては、大手のマックスバリュー、イオンの他、秋田・青森に25店舗を持つ地方スーパーチェーンである伊徳などで販売し、マーケットにおいて一定の存在感を示しているのに対し、販売網が弱い県南ではまだうまく浸透できていない。 県外の地方スーパーの例では、オギノとの取引は、同社が同グループのコンセプトに理解を示したことから始まったということである。地理的に離れた所であっても、特定のマーケットの中で市場シェアを高めて競争力をつけるというのはマーケティング戦略としてオーソドックスなものである。 イ 自社による販売 (1) 直売所 同グループでは、直売にも力を入れている。同グループは、平成20年に直売所「こもも」を小坂町に開店し、地元の消費者に対し同グループの製品を直接提供できる場を確保した。続いて、平成24年には隣町の鹿角市に2店目の直売所「こもも十和田店」を開店し、「桃豚」の精肉とともに、(株)まんまランドで製造した、ハム・ソーセージや、総菜や弁当なども製造販売しており、地元消費者の幅広いニーズに応える体制を整えている(写真5)。
養豚においては、ハム・ソーセージなどの加工品製造や直売所経営など、多角化戦略が取られることも多いが、同グループも加工施設を(株)まんまランドが有している。加工部門は、収益的なウェイトは小さいものの、本場ドイツで技術を学んだスタッフが新鮮な「桃豚」を原料に、上質な加工品を限られた数量だけ生産する形となっている。 同グループは25年3月、本場ドイツのハム・ソーセージコンテストで5つの製品がメダルを受賞している。技術の高さに裏打ちされた品質の高さも、同グループの差別化要因として機能しており、経営戦略上、重要な役割を果たしていると言えよう。 (2) 移動販売車 作り手の見える新たな販売手法として、同グループは平成24年に移動販売車を導入し、イベント会場で新商品「ぶたんぽ」の販売を始めた(写真6)。「ぶたんぽ」は、秋田名産のきりたんぽをモチーフに、秋田県産米を「桃豚」の肉で巻いて、たれを付けて焼いたオリジナル商品である。きりたんぽのように太い串に刺しており、片手で持って立ったままでも食べられるファストフードのような気軽さがある。米と豚肉でボリューム感があり、地元の代表的な食材を使った地元ならではの特産品というユニークな商品として、地元の消費者からの評判は上々であるということであった。
ウ 販売チャネルの考え方と今後の展開 現在、同グループの出荷量のうち、85%は他社および自社向けに出荷先が確定しており、計画的に生産されているが、残りの15%は生産段階では出荷先が決まっていないフリーな状態として確保している。生産と流通の両面で不確実な状況にある中、この15%という余裕は、同グループが如何なる出来事や状況の変化にも対応できる体制として、必要なバッファーであると思われる。 今後の販売チャネルについて豊下代表は、現有する生産能力を活かすべく、まずは秋田県南地域での販路拡大を目指すとともに、チャンスがあれば、首都圏や関西圏などの遠方の大消費地よりも、これまでに実績のない東北最大の消費地、仙台へ進出することを想定していた。基本的には、現在の販売チャネルを深掘りして、足場を着実なものにしていくことが当面の戦略であると見受けられた。 (4) 優れた組織運営 ア 企業理念を実践 ポークランドグループの企業理念を以下に示した。この中には、「農業で幸せになろう」、「共存同栄」、「身土不二」、「安全で安心な作り手の見える農業」の4つのキーワードが含まれている。近年、企業理念や組織としての使命が語られることが多くなったが、必ずしもそれらが実際に企業の経営の方向性を規定しているとは限らない。同グループの場合にはここまで説明してきたように、企業理念が実際の企業経営の動きに対応している。優れた組織運営の姿が、この企業理念に表れているように思われる。 イ バランスのとれた意思決定 同グループの成功の要因の1つに、畜産経営において重要な技術と経営の両面でのバランスがあると考えられる。豊下代表の経歴や同グループ設立の経緯など、同グループに関わる多くの要素が、豊下代表の意思決定に影響を与えている。 豊下代表は、高校卒業後、東京の観光会社で3年間勤務した後、JAかづのに就職した。JAでは金融・共済部門でトップの成績を上げるなど活躍し、28歳で共済部門の課長に昇進し、2年後に畜産課長へ異動。畜産課長を2年間務めた後に、(有)ポークランドの設立のためにJAを退職している。経歴から分かるように、畜産課長の経験はあるものの、ベースは経営管理系である。 豊下代表本人も自分の経営スタイルについて、「自分の役割はマネジメントが中心。技術面は専門家に任せる方針で、自分は専ら広く、浅く関与するというスタンスである。」と話しておられた。組織運営の両輪のうち、経営面は自分で、技術面は、技術を持った人材を登用することでカバーしているようである。豊下代表は、BMW技術の重要性を語りながらも、その一方で「BMW技術にどっぷりと浸かる気はない」とも話しており、経営面だけを見るのでなく、技術面を相対化して経営全体の視点から組織運営に取り組むという姿勢が強く感じ取れた。 ウ 内外の関係者によるバリューチェーンの構築 同グループのもう1つの成功要因は、グループ内の各企業および経営の外部にある利害関係者を含めて、強力な価値連鎖(バリューチェーン)を構築している点であろう。SPFの種豚や飼料は、JA系の農場や企業から調達し、と畜もJA系の(株)ミートランドに依頼している。豚の飼育はグループ内で行うが、飼育方法が若干異なる豚を分散した農場で生産することで、家畜疾病などのリスク軽減を図っている。販売チャネルは他社販売と自社販売に分けており、豚肉の大半は精肉として販売し、一部は自社で加工している。他社販売ルートでは首都圏を含めた複数の有力販売ルートを確保している。また、畜産経営で重要になる資金面については、JA、日本公庫、商工中金の他、地方銀行の支援も受けている。これらの利害関係者が同グループを中心にして連鎖することによって、同グループは「桃豚」というブランドを確立し、高付加価値化を実現させている。 4 おわりに 〜今後の課題〜以上のように、ポークランドグループは順調に成長を遂げてきた。今後の経営成長を考える上で制約条件となり得る事項を挙げ、今後の課題を整理することでまとめに代えたい。 この度の調査を通じて、豊下代表は養豚経営を核にして、(株)あぐりランドでの自作堆肥を利用した特別栽培野菜の生産および販売の本格化、観光的な要素を取り入れた農場の展開など、事業の多角化を将来構想としてイメージしているように筆者は受け取った。社会状況、人々の価値観やニーズの変化などを考えると、妥当な展開方向であろう。そのような経営展開を図っていく上で、制約条件となりそうな要素として以下の2点を挙げておきたい。 第1は事業多角化に伴う人材の確保である。経営展開をしていく上で、経営陣と農場での日々の作業オペレーションの両方のレベルで人材が必要になる。これまでは養豚を中心とした比較的シンプルな経営であったので、経営的な判断が豊下代表に集中しても処理できていた。しかし、現在でも農場ごとに異なる条件で豚の生産を行い、また、(株)あぐりランドの活動が本格化するようになると、同グループの経営は複雑化し、意思決定も多岐にわたるようになる。そのような状況の下、組織を発展・拡大をさせるためには、今後、豊下代表を補佐して経営の舵取りをする人材や、各現場々々でのリーダーが必要になってくる。このような必要とされる人材を、グループ内部で育てていくか、外部から登用するか、地元の労働市場の状況なども考慮しつつ、早急に方針を固め、実行に移す必要があろう。 第2は利害関係者との関係である。組織が大規模になることで、JAをはじめとした利害関係者との新たな関係構築が必要になってくる。地元地域や農家との関係如何では、経営発展の制約条件になりかねない。同グループが農業を主体に事業を拡大するためには、今後も近隣農家との良好な協力関係の維持・構築は必須となる。 この他にも、家畜疾病や価格変動のリスク対応などについても考慮しなければならないが、それらは畜産経営全般に当てはまるものであり、これ以上は言及しない。これらの制約条件の課題を克服して、同グループが今後もより一層力強い経営成長を遂げることを期待したい。 【あとがき】 今回の報告作成に当たっては、ポークランドグループ代表の豊下勝彦様にご協力を頂いております。この場をお借りして御礼を申し上げます。 なお、ポークランドグループについては、『畜産の情報』2000年11月号において、安部新一宮城学院女子大学教授が論文を発表しておられ、また、豊下代表ご自身も2013年度の日本フードシステム学会のミニシンポジウムで報告しておられます。両氏の論文は、本稿作成でも参考にさせて頂きました。 (参考文献) |
元のページに戻る