需給動向 国内 |
国産品推定期末在庫、2万トンを下回る低水準
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平成27年7月の鶏肉需給は、生産量は12万2085トン(前年同月比0.4%増)と前年同月をわずかに上回り、輸入量はタイ産鶏肉の増加に伴い4万5354トン(同6.5%増)と前年同月をかなりの程度上回った。推定出回り量は16万7171トン(同4.8%増)と、前年同月をやや上回り、推定期末在庫は前月から268トンを積み増して、12万3955トン(同5.2%増)と、2カ月連続で12万トンを超える水準となっている(農林水産省「食鳥流通統計」、財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。 推定期末在庫のうち、輸入品在庫は10万4490トン(同4.7%増)、国産品在庫は1万9465トン(同8.4%増)となっている(図5)。輸入品在庫は、年末の最需要期に向けて順調に積み増している一方で、国産品在庫は、2月以降積み増して推移していたが、7月になると取り崩して2万トンを下回る水準となった。例年であれば、不需要期の夏場に凍結回しを行うことで年末の最需要期用に在庫を積み増していくが、今年は、他の食肉との価格優位性から鶏肉需要が堅調のほか、総菜やナゲットなどの原材料となるむね肉の加工・業務用需要の増加により、凍結回しが行えていないことによるものと考えられる。 今後は、学校給食の再開や鍋物・クリスマスなど季節需要の増加が見込まれる中、国産鶏肉の卸売価格に影響を及ぼす在庫水準の動向が注視される。 平成26年度の鶏肉自給率、前年度を1ポイント上回り67%に 平成26年度の鶏肉自給率(骨付肉重量ベース)は、国内生産量が149万4000トン、輸入量が75万9000トン、国内消費仕向量が222万6000トンとなった結果、67%と前年度より1ポイント増と4年ぶりに上昇した(図6)。また、鶏肉の国民1人・1年当たりの供給純食料は、12.2キログラム(前年度比1.6%増)となった。 鶏肉の自給率は、近年、輸入量の変動を受けて増減を繰り返しながらも、7割前後と牛肉や豚肉と比べて高い水準で推移している。これは、生鮮鶏肉の賞味期限が8日前後と短く、輸入品の大半は冷凍品であることから、国産品との競合が少ないほか、インテグレーションの進展により大規模生産を実現していることなどによるものと思われる。 なお、飼料自給率を考慮した鶏肉自給率は、26年度の飼料自給率が27%と前年度から1ポイント増加したことに伴い、1ポイント増の9%となった。 (畜産需給部 小林 智也)
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