需給動向 海外

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豚枝肉生産量は前年を上回り、価格は依然として低水準


2015年6月の豚枝肉生産量、前年同月比9.2%増

 欧州委員会によると、2015年6月の豚枝肉生産量(EU28カ国)は、前年同月比9.2%増の186万トンと、かなりの増加となった(図13)。加盟国別に見ると、最大の豚肉生産国であるドイツが同7.0%増となるなど、主要生産国では前年水準を上回って推移している。

 2015年1〜6月の累計で見ると、前年よりもやや増加(1143万トン、前年同期比5.2%増)しており、通年では3.8%程度上回る2298万トンと見込まれている。

2015年7月の豚枝肉卸売価格、前年同月比14.9%安

 欧州委員会によると、2015年7月の豚枝肉卸売価格(EU28カ国)は、前年同月比14.9%安の100キログラム当たり144.25ユーロ(1万9762円:1ユーロ=137円)と、引き続き低水準にある(図14)。

 EUの豚枝肉卸売価格は、2014年の夏場以降に落ち始め、2015年3月9日から7週間にわたって実施された豚肉の民間在庫補助(PSA)などで緩やかな上昇も見られたが、現在も低水準のまま推移しており、2013年10月以降、22カ月連続で前年同月を下回って推移している。

スペインが輸出を大きく伸ばす

 2015年上半期の豚肉輸出量(EU28カ国)は、前年同期比7.4%増の76万5584トンとなった(表4)。低迷する卸売価格とユーロ安で国際競争力を増す中で輸出を増やしており、輸出単価は、同1.1%安となっている。

 最大の輸出先である中国向けは、同48.8%増の19万5747トンと全輸出量の25.6%を占めている。一方、日本向けは、同17.9%を占め2番目の輸出先となるが、日本市場では、北米(カナダ、メキシコ)からの輸入が増えたことで、輸出量は同19.6%減と大きく減少している(13万6800万トン)。3番目の輸出先である韓国向けは、同23.9%と大きく増加している(10万4838トン)。

 加盟国別に見ると、スペインが前年同期比17.8%増と大きく伸ばし、デンマークを抜いてドイツに次ぐ2番目の輸出国となった。スペインの輸出量の7割はEU域内向けとなり、最大の輸出先はフランス(14万924トン、同13.1%増)である。EU域外向けでは、中国向けが4万9328トン(同52.3%増)と最大であり、次いで日本向け3万4985トン(同1.3%増)、韓国向け2万4508トン(同75.1%増)となっている。

 低迷する卸売価格などを要因に、EUの豚肉輸出は伸びつつあるものの、欧州の養豚生産者の経営状況は依然として厳しく、政府の救済策を要請する声は後を絶たない。

(調査情報部 大内田 一弘)

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