調査・報告 学術調査  畜産の情報 2015年10月号

GPSを利用した稲WCSの
収穫調製作業管理システムの導入

新潟県農業総合研究所 畜産研究センター 主任研究員 小橋 有里
  専門研究員 関   誠
  専門研究員 佐藤 義政

【要約】

 市販の数十万〜数百万円の作業管理システムを、数千円〜数万円の低価格なGPS位置情報管理システムに代替し、その精度と活用の可能性を検討するための調査を新潟県魚沼市自給飼料生産組合の稲WCS収穫ほ場において実施した。

 その結果、GPS位置情報専用車載端末(3万円+α)、USB接続GPSデータロガー(3千円台)ともに、ほ場ごとに作業開始・終了が区別できる精度であった。

 別の場所からのリアルタイムモニタリングをするなら、前者が必要であるが、作業終了後にデータを取り込み、作業ほ場図に反映させるならば、後者でも十分可能であった。

 また、エクセルマクロ(注)の利用によって、GPS位置情報から、ほ場当たりの作業時間、作業速度などを自動計算させることにより、作業日誌としての機能を自身の使いやすいシステムに構築できる可能性が示された。

注:エクセル操作手順を記録しておき、後で自動的に実行する機能のこと。

1 調査の目的

 自給飼料の生産現場では、労働力の確保、飼料生産作業の受託面積拡大による委託農家数の増加、作業ほ場の分散、ほ場ごとの生産量・品質などのバラツキなどが効率的作業を目指す中で課題となっている。特に、稲WCSについては、品質を優先すると収穫時期が集中し、ほ場の状態によって収穫機械が動けないなど、天候を見極めた計画的な効率的作業が求められる。

 GPS(Global Positioning System)は、カーナビゲーション、タクシーやバスの運行管理、携帯電話、スマートフォンなどで利用され、機能を搭載している機器を持っていれば、その活用方法はアイデア次第で多岐に広がる可能性を秘めている。一方、GPSを活用した作業管理システムが構築され、情報管理、迅速な連絡、効率的作業、作業状況の把握などが一元管理できるようになり、農林水産業、建設業、除雪作業など、多くの現場で活用されている。しかし、実際の導入には、ソフトやシステム、画像の購入など、数十万〜数百万円の初期投資が必要である。

 本調査の目的は、市販の数十万〜数百万円の作業管理システムを、数千円〜数万円の低価格なGPS位置情報管理システムに代替し、そのシステムがどこまでの精度を持ち、今後、活用できるかといった可能性を調査することである。この調査により、作業者の状況報告や作業日報作成などの日常報告をしなくても正確な作業時間、作業場所を自動でデータ化するとともに、作業管理者が情報の一元管理を行うことで、収穫作業効率の向上と高品質な自給飼料生産を目指した。

2 GPS位置情報収集機器

 まず、GPS位置情報を収集する機器として、飼料作物の収穫機の走行速度、温度差や振動への耐性などを考慮した上で、安価で軽量なことを優先し、多数ある車両管理システムの中で、VISH株式会社(本社:愛知県)が販売しているGPS位置情報専用車載端末 BCL-100を選定した。また、最も安価に入手可能な位置情報のみを記録することに特化したCanMore Electronics 社から販売されているUSB接続GPSデータロガー(注1)GT-730FL-Sを選定した。

注1:移動経路をGPSを使用して記録する機器。

(1)GPS位置情報専用車載端末BCL-100

 GPS位置情報専用車載端末 BCL-100は、VISH株式会社が提供している車両の位置情報管理サービス「アクセルGPS」を利用することで、パソコンやスマホから専用管理画面内のGoogle社が提供しているGoogle Map上で車両の位置情報をリアルタイムに閲覧でき、Web API(注2)を通じてリクエスト時のパラメータに応じてCSV形式(注3)もしくはXML形式(注4)で、情報を取得できるサービスも利用できる。

 調査を実施した2014年6月当時の1台当たりの価格は、3万円(GPS車載端末本体、FOMAアンテナ、GPSアンテナ、シガーソケット電源、取り付け金具)+2000円(月額利用料)+従量課金(通信料)となっており、GPSの通信間隔の設定により通信回数が変わってくるため、毎月のサービス利用料を支払うシステムであった。2015年3月現在は、GPSの通信間隔を30秒に1回に固定し、さらに無線通信も付与したシステムが3万円(端末機器)+2500円(月額利用料+通信料)で同社から提供されており、GPSの通信間隔の選択により、さらに低価格に利用できる。

注2: Webサイトなどの開発を効率的に行うための技術。API(application programming interface)は、アプリケーションの
   開発者が,他のハードウエアやソフトウエアの提供している機能を利用するための手法である。

注3: データベースの各レコードにおいて、フィールドの区切りをカンマ(,)のみで表現する形式。

注4: 異なる種類のコンピュータ間でデータをやり取りするために定められた規格のひとつで、特にインターネットでの
   やり取りを考慮した方式。

(2)USB接続GPSデータロガーGT-730FL-S

 USB接続GPSデータロガーGT-730FL-Sは、CanMore Electronics社から販売されているUSB接続GPSモジュールで、 本体にバッテリを内蔵し、単独でGPSデータを記録することも、パソコンと接続しGPSレシーバとして使用することも可能であり、 充電はUSBポートから行う。GPSデータロガーであるためリアルタイムの閲覧はできないが、ソフト(CanWay)が付属されており、記録したデータをダウンロードして地図上で軌跡を表示することができる。小型で低価格なこと(3500〜4000円)が特徴である。また、データ収集間隔を1秒から任意の間隔に設定でき、間隔を短くすることで、より滑らかな軌跡を得ることができる。

3 調査ほ場とデジタルほ場図の作成

(1) 稲WCS収穫ほ場

 調査の対象としたほ場は、新潟県魚沼市自給飼料生産組合の稲WCS収穫ほ場27.2ヘクタールで、ほ場数100筆、2014年7月23日〜8月21日の収穫期間とした。

 また、収穫作業の分散のため、稲品種を3種類栽培したため、出穂期やほ場の乾燥状態などを確認の上、作業管理者とオペレーターが作業計画を立てた。

(2)デジタルほ場図の作成

 当該ほ場は、南北11キロメートル、東西8キロメートルにわたって分散しており、年ごとにほ場が変更になる場合も多々あり、これまでは地番と地図、目視により確認を行ってきた(写真5)。

 これに対し、本調査では無料オンライン地図を利用し、写真表示にして個別のほ場情報を地図上にアイコン描画として追加し、作図情報をKML形式(注5)で保存した。ほ場情報を点ではなく、多角形(ポリゴン)として描画する方法もあるが、隣接ほ場や畔と水田内の区別が困難と想定されたため、収穫前のデジタルほ場図には、地点としてほ場情報を登録した。

 ほ場情報は、ほ場名、ほ場管理農業者氏名、住所、作付面積、栽培品種、後作の有無を入力した。

注5: Google社が提供するGoogle EarthやGoogle Mapなどのアプリケーションに表示するポイント、線などを
   保存するためのファイル形式。

4 GPS位置情報からのほ場の特定

 座標取得間隔を30秒という長い時間に設定しても、1日のほ場作業の記録で取得する座標データは1000レコードに近い。作業管理をするためには、この中から各ほ場内での作業時間を算出する必要がある。GPSに付属する多くのアプリケーションで使用できる、KML形式のファイル(以下「KML」という)、およびCSV形式のファイル(以下「CSV」という)を利用して、Microsoft社のExcel2007(Excel)上で作業ほ場の特定と作業時間など(管理データ)を算出するマクロワークブックを開発した。オペレーティングシステムはマイクロソフト社のWindows7を使用し、座標データをCSVに出力するGPS用アプリケーションは、USB接続データロガーGT-730FL-S に付属していたソフトウェアを使用した。また、地図上に描画したKMLの出力およびマクロワークブックから出力したKMLの確認にはGoogle社のGoogle Earth Ver.7.1.2041(Google Earth)を使用した。

 管理データ算出には、それぞれのほ場に出入りする際に必ず通る座標範囲(チェックポイント)を1つのほ場について1〜5カ所設定し、それぞれのほ場に属するチェックポイント内で、最初に記録された時刻と最後に記録された時刻を、それぞれのほ場での作業開始時刻と終了時刻とし、この間のデータをほ場内にいるものとした。この後、次のほ場のチェックポイントで最初に記録された時刻までを移動時間とした。

 チェックポイントの座標範囲を設定するマクロワークブックとしてrack.xlsmを、チェックポイントとCSVから管理データを集計するマクロワークブックとしてsaca.xlsmを開発したのでその概要を説明する。

(1)ほ場ごとのチェックポイントを取得する(rack.xlsm)

 rack.xlsmは複数のポリゴンデータを持つKMLからそれぞれの頂点座標を抽出し、それぞれのポリゴンが内接する、緯線経線に四辺が平行な四角形の頂点の緯度経度を求めることができる。また、これらの四角形の頂点を一般的な地図ソフトで表示するための緯度経度セットならびに、これらを基にしたKMLを出力できる。KMLは地図ソフトに読み込んで、チェックポイントの位置と範囲を確認することが可能である。

ア 地図ソフトによるポリゴンの描画とKML出力

 ここではGoogle Earthを例に説明する。

(1) Google Earth起動後、目的のほ場位置に移動する(図6)。図6内の赤枠はほ場の範囲、矢印は出入りの場所と進行方向を示す。

(2) 「チェックポイントポリゴン」フォルダを作成する。各ほ場の入り口と出口(作業の前半と後半に必ず通る場所)をそれぞれ1〜5カ所特定する(図7)。図7の手前からほ場A,B,C。青縁のポリゴンが設定したチェックポイント。これらを「チェックポイントポリゴン」をフォルダ内に作成する。

(3) 作成したフォルダを右クリックして「名前をつけて保存」、ファイルの種類に「Kml(*.kml)」を指定して、分かりやすい名前をつけてファイルを保存する。

イ rack.xlsmによるチェックポイント取得

(1) rack.xlsmをExcelで開きマクロを有効にする。

(2) 「KMLファイルを開く」をクリックし、前項で作成したKMLを指定して開くと、ポリゴン名をエリア名として、経度緯度のそれぞれ最大値と最小値が自動計算され、これらがチェックポイントの頂点になる(図8)。

ウ チェックポイントの位置と範囲の確認

(1) rack.xlsmの「KML出力」ボタンをクリックすると、作成したチェックポイント情報をKMLに出力できる(図9)。図9内の黄色いエリアが算出したチェックポイントである。

(2)管理データの算出(saca.xlsm)

 saca.xlsmは各ほ場(エリア)1〜5カ所のチェックポイントを基準に、GPSで記録された時刻、座標データなどから管理データを算出するマクロワークブックである。レコードが各エリア内外で記録されたものかどうかを判定する。管理データの算出は、各行が属するエリアを特定して、それぞれエリアの入出時刻、滞在時間、エリア内で移動している作業時間、停止している時間、データが存在していれば移動距離と平均速度を算出する。

(1) saca.xlsmをExcelで開いてマクロを有効にする。

(2) 「メイン」シートにrack.xlsmで算出したチェックポイントの座標をペーストする(図10)。1エリアにつき5カ所までのチェックポイントを設定可能である。

(3) CSVのデータをsaca.xlsmの「GPSデータ」シートにペーストする。

(4) 「エリア割当」ボタンをクリックすると「GPSデータ」シートに各行が属するエリアが算出される。

(5) 「GPSデータ」のエリア情報が正しいか確認し、誤っていれば修正する。

(6) 「集計」ボタンをクリックして管理データを算出する(図11)。

5 稲WCSの飼料成分と発酵品質の調査

 稲WCSを効率よく生産するために、前述のシステムによって得られる収穫作業に係る作業時間の情報に、収穫物である稲WCSの飼料成分や発酵品質に関する情報を統合することで、飼料稲の品種の選定、栽培方法および収穫計画に反映することができると考えられる。そこで、稲WCSの品質管理台帳を作成するために、収穫日、収穫ほ場の違う稲WCSロールベールサイレージ26個をマーキング、購入農家で別保管し、収穫から3〜4ヵ月後に飼料を採取した。材料を採取した稲WCSの品種は、早生品種の「新潟次郎」と「コシヒカリBL」の2品種であった。「新潟次郎」は出穂期から乳熟期に、「コシヒカリBL」は出穂期から糊熟期に収穫され、「新潟次郎」は7/22〜7/31、「コシヒカリBL」は7/26〜8/21に収穫された。

(1) 稲WCSの発酵品質

 稲WCSの品種別の発酵品質および飼料成分を表1に示した。「コシヒカリBL」の一部を除いて、生育ステージの早い段階での刈り取りとなっており、水分含量の高いものが主体であった。通常、高水分の材料は、酪酸が生成されやすく、発酵品質が低下しやすいとされているが、本調査で収集した稲WCSは1点を除き、V-スコア(注6)は80点以上の良に区分されるものであった。その要因として、収穫物を高密度に圧縮成形できる汎用型飼料収穫機で収穫を行っており、発酵品質に優れた稲WCSが調製できたと考えられた。

注6: サイレージの、酢酸+プロピオン酸(新鮮物中%)に10点、酪酸以上の揮発性脂肪酸(新鮮物中%)に40点、
   揮発性塩基態窒素/総窒素(%)に50点を配点し、合わせて100点満点となるサイレージの品質評価法である。
   点数が高いほど発酵品質のいいサイレージと評価される。

(2) 稲WCSの飼料成分

 「新潟次郎」の稲WCSは、生育ステージも近似し、飼料成分も類似したものとなっている。一方、「コシヒカリBL」の稲WCSは、出穂期から穂揃い期に収穫したもの、乳熟期から糊熟期に収穫したものに分かれた。前者と後者のaNDFom(耐熱性α-アミラーゼ処理中性デタージェント繊維)、ADL(酸性デタージェントリグニン)および非繊維性炭水化物(以下「NFC」という)含量に違いがある(表2)。稲WCSの飼料成分は、稲の成熟が進むにつれてもみにデンプンが蓄積されることによって、NFC含量は増加し、相対的に繊維含量が減少する。本調査では、「コシヒカリBL」の稲WCSで、この変化が明瞭に現れており、繊維のリグニン化が進んでいることも確認された。本調査で収集した稲WCSは、移植栽培で生産されたものと推察されるが、1カ月に及ぶ収穫期間の中で、類似した飼料成分の稲WCSを得るには、移植栽培に比べ、米の収穫時期が10日程度遅くなる直播で栽培を開始する「コシヒカリBL」を加えることも有効な手段と考えられる。仮に、本調査で乳熟期から糊熟期に収穫した「コシヒカリBL」を移植栽培から直播栽培に変更した場合、出穂期から穂揃い期に当たり、1カ月間の収穫作業で得られる稲WCSの飼料成分は近似したものになると推察される。

 また、「新潟次郎」と「コシヒカリBL」の稲WCSについて出穂期から穂揃期に収穫した飼料を抽出して、飼料成分を比較したところ、ADLとCA(粗灰分)を除く成分には差はなかったが、ADLとCA含量に差が認められた。稲WCSのCAは栽培ほ場のケイ酸の供給量に多少に影響されることが知られており、この点は品種の特性か見極める必要がある。また、品種別のADL含量に関する情報は乏しく、今後、その情報収集が望まれる。

(3)飼料品質データと作業管理台帳の統合

 飼料成分、発酵品質などの分析値は、GPSエリア解析(saca.xlsm)の別シートにコピーし、「メイン」シートのほ場番号とリンクさせることでマクロワークブック(saca.xlsm)の1ファイルを作業管理台帳に、KMLを作業ほ場図にした。現段階では、作業管理者がsaca.xlsmとKMLの両方を保有し、オペレーターがKMLを地図ソフトに読み込んで、ほ場の位置を確認することに設定したが、それぞれの役割や使い方の変化により、変更を随時行っていく予定である。

6 おわりに

 ある学会のシンポジウムで、コントラクター利用組合の方が、トラクタ搭載型GPSを利用したコントラクター管理支援システムについて紹介する話を聞いたことが、我々が本調査を開始するきっかけであった。ほ場情報管理や作業計画、作業指示、作業時間から賃金の計算までシステム化されており、コントラクター利用組合の方が、「すごく便利です。是非、みなさんも使うべきです。」と話しておられたのが印象的であった。

 トラクタ搭載型GPS を導入しようとすると、本体価格で30万円強、GPS受信アンテナが10万円弱、合わせて40万円近くかかる。本体機器以外のデータ編集ソフト、支援システムや地図画像を含めると、総額で100万円以上になってしまうものもある。

 近年は、高性能で軽量、安価なGPS受信機器が発売されており、数千円でもデータ収集は可能である。データのシステム開発や管理を他人に頼らず、自己管理すれば、多機能でなくても必要最小限のシステム構築が可能なのではないかと考えた。

 まず、ほ場図をデジタル化し、これまでパズルのように複数の地図を組み合わせてほ場位置を確認していた作業を短縮し、1枚の地図に表示させた。これによって、言葉や目印に頼ることなく、閲覧できる全ての関係者が絶対座標で、ほ場を認識できるようになった。

 GPS位置情報専用車載端末BCL-100は、GPSデータの取得だけでなく、リアルタイム把握できる位置情報管理サービスとしては、業界最安値で提供されている。位置情報の精度も1〜2メートルの誤差範囲で正確であった。初期投資に3万円がかかるが、毎月の利用料は3000〜5000円程度で収まる。また、2015年3月現在は、同社からさらに低価格なサービスも提供されている。オペレーターが作業を中止することなく、管理者がリアルタイム把握を希望する場合には、有益な位置情報管理サービスであると言える。また、Web APIを通じてCSV形式もしくはXML形式で情報取得できるサービスは、毎月の利用料に含まれている。これらのデータを利用して、本稿第4項のGPS位置情報からのほ場の特定と同様にマクロワークブックを開発することも可能である。

 本調査時点で、USB接続GPSデータロガーGT-730FL-Sは、データロガーとして記録することだけに特化して販売されている商品の中で、最安値で販売されている。位置情報の精度は2〜3メートルであり、隣接ほ場の軌跡が重なることがあったものの、使用に支障はなかった。GPSデータロガーの中には、多様な機種があり、それぞれの特徴を知った上で、目的にあった機種を選択する必要がある。

 近年、無料地図がWebアプリやスマートフォンのアプリとして数多くダウンロード可能であり、その多くが利用規約内で、個人の非営利目的であれば多くの国や地域では手続きなどを不要としている。特殊な作業を管理する場合、管理システムが一番高価である。しかし、無料地図、安価なGPS情報収集機器、Microsoft社のExcelを利用したデータ算出、利用者への提示の仕方を、目的に合うように組み合わせ、オリジナルのシステムを自己構築することで、安価に作業管理者が情報の一元管理を行うことが可能であった。今後は、本調査で構築したシステムを、実際に自給飼料生産組合の作業管理者に提供し、現場のニーズに合わせて改良していくことにより、使いやすくなり、収穫作業効率の向上に反映できるようなシステムに発展させていきたいと考えている。

 なお、本稿において、使用している地図画像は国土地理院の電子国土Web(http://maps.gsi.go.jp)の画像を加工してイメージサンプルとして使用した。GPS位置情報専用車載端末BCL-100の表示内のGoogle Map画像、およびGoogle Earthのキャプチャ画像の航空写真も、電子国土Webの画像を加工してはめ込んで使用した。なお、電子国土Webには航空写真上に描画する機能、ファイルの読み書きや、本調査で使用したアプリケーションと連携する機能はない。

 rack.xlsmおよびsaca.xlsmは新潟県農業総合研究所畜産研究センターのホームページからダウンロードできる(http://www.ari.pref.niigata.jp/chikusan/Environment/Environment.html#GPS)。


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