需給動向 海外 |
牛の総飼養頭数は3年ぶりに増加 |
雌牛を中心に飼養頭数がわずかに増加
カナダ統計局(Statistics Canada)が3月3日に公表した牛の飼養動向調査によると、2016年1月1日時点の牛総飼養頭数は、1993年以降で最低を記録した2015年をわずかに上回る前年比0.3%増の1196万頭と、3年ぶりの増加となった(表1)。
種類別に見ると、去勢牛は、同0.7%減と減少傾向で推移している。一方、未経産牛(同0.5%増)は、前年をわずかに上回り、牛群の拡大意向により保留が進んだものとみられている。また、子牛も同0.9%増とわずかに増加しており、今後の頭数増加の予兆との見方もある。
フィードロット飼養頭数は7カ月連続で前年を上回る
カナダ肉用牛生産者協会(CCA)の畜産物市況分析部門であるCanFaxによると、2月1日時点のフィードロット飼養頭数は、前年比5.8%増の91万9000頭と7カ月連続で前年を上回った(図6)。
重量の重いカテゴリーが増加していることから、国内および米国の生体牛価格の下落により、肥育が長期化していることが増加の要因とみられている。
米国向け生体牛輸出頭数は、前年を大幅に下回る
USDA/ERSが公表している「Livestock & Meat International Trade Data」によると、2015年の米国向けカナダ産生体牛の輸出頭数は、前年比33.2%減の83万頭と大幅に減少した(図7)。
重量別に見ると、主に肥育もと牛や繁殖後継牛とみられる400〜700ポンド(181〜318キログラム)は、米国での草地の回復に伴う牛群再構築の高まりから増加した前年の反動により、同42.8%減の15万4000頭と大幅に減少したものの、史上4番目に高い水準となった。
また、と畜場直行牛を中心とする700ポンド(318キログラム)以上は、同31.1%減の65万5000頭となった。この要因について一部関係者は、米国の生体牛および牛肉価格の値下がりなどを背景に、国内に牛を留め置く動きが高まったことを挙げている。
(調査情報部 渡邊陽介)
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