需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

はっ酵乳生産量、堅調な需要を背景に拡大


はっ酵乳生産量は好調に推移

農林水産省「牛乳・乳製品統計」によると、平成28年1月のはっ酵乳生産量は9万1455キロリットル(前年同月比9.9%増)と、11カ月連続で前年同月を上回り、27年度(4月〜翌1月累計)は89万2805キロリットル(前年同期比6.4%増)となった(図8)。同生産量は、24年度は前年度比10.3%増、25年度は同1.8%増となり、26年度は前年度並みであったものの、27年度は再び前年度を上回る勢いとなっている。





この背景として、平成27年4月1日に始まった「機能性表示食品制度」による機能性ヨーグルトなどの商品が販売され、堅調な需要を支えているとみられる。

価格は乳価引上げに伴い上昇

総務省統計局「消費者物価指数」によると、平成28年1月分のヨーグルト(はっ酵乳)の価格指数(平成22年平均を100とした場合)は99.6となり、前年同月の94.9と比較して4.7ポイント上昇した(図9)。



27年4月に大手乳業をはじめとする乳業各社が、乳価引上げに伴い商品価格の値上げを実施したこともあり、27年度の小売価格は25、26年度に比べると高い水準で推移している。

ヨーグルトの支出増が乳製品の家計支出をけん引

総務省統計局「家計調査報告」によると、平成28年1月の1世帯(2人以上世帯、世帯人員3.0人)当たりの牛乳・乳製品支出金額は2771円(前年同月比3.5%増)となり、内訳は牛乳が1146円(同2.0%増)、乳製品が1625円(同4.5%増)であった。この乳製品の増加の理由は、ヨーグルトの1056円(同7.4%増)によるところが大きく、機能性などに優れるヨーグルトには多少高い価格でも購入するという消費者の健康志向を反映しているといえる。

(畜産需給部 岡 千晴)


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