需給動向 国内 |
平成28年3月10日に農林水産省が公表した「鶏卵流通統計調査」によると、平成27年の鶏卵生産量は252万873トン(前年比0.8%増)と、前年をわずかに上回る結果となった。
月別に見ると、生産量が前年を下回ったのは1月、2月、5月のみで、残りの月は前年を上回っている。鶏卵卸売価格が好調に推移したことを受け、生産意欲が刺激され、採卵用ひなえ付け羽数が増加し、26年には前年よりわずかに減少した生産量も27年には増加したと考えられる(図11)。
都道府県別割合を見ると、茨城県が8.0%と最も高く、次いで千葉県が6.9%、鹿児島県が6.7%、広島県が5.2%、岡山県が4.9%など上位10県で過半を占めた(図12)。大消費地に近く、輸送面のメリットがある茨城県や千葉県などで生鮮食品である鶏卵の生産が盛んとなっている。
3月の鶏卵卸売価格、前月比6円高
3月の鶏卵卸売価格(東京、M玉基準値)は、1カ月を通して安定的に推移し、平均では1キログラム当たり215円(前年同月比4円安)となった(図13)。
同価格は、寒さが和らぎ、生産量は増加傾向になったが、大手ファストフードチェーンによるプロモーションや量販店における特売需要などの引き合いも見られ、需給のバランスが保たれている状況であった。
今後については、供給面では、気温が上昇し、産卵適期となることにより、引き続き生産量は増加する見込みである。一方、需要面では、大型連休を控え行楽需要などにより、加工・業務用筋からの引き合いが強まることが期待される。
(畜産需給部 小林 智也)
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