需給動向 国内

◆牛乳・乳製品◆

2月の生産量はバター、脱脂粉乳ともに増加


平成28年2月のバター生産量は5938トン(前年同月比9.6%増、前年同月比はうるう年修正後の数値。以下同様。)、脱脂粉乳の生産量が1万964トン(同5.0%増)となった(農林水産省「牛乳乳製品統計」、図9)。バターは10カ月連続、脱脂粉乳は13カ月連続で前年同月を上回って推移している。



増産は回復基調の生乳生産を反映

28年2月の生乳生産量は59万5311トン(前年同月比0.1%増)と、前年同月をわずかに上回った。これを地域別にみると、北海道は31万3025トン(同2.0%増)、都府県は28万2286トン(同1.7%減)と、主として乳製品向けに処理される北海道産の増加傾向が目立っている。

また、生乳の用途別処理量は、牛乳等向けが31万3548トン(前年同月比1.2%増)、乳製品向けが27万7228トン(同0.7%増)と、牛乳等向け、乳製品向け共に増加した。乳製品向けの内訳をみると、クリーム等向けが9万9943トン(同5.1%減)、チーズ向けが3万4794トン(同16.3%減)と減少した一方、バター・脱脂粉乳向けは14万2491トン(同7.6%増)とかなりの程度増加した。

民間在庫は前年同月を大きく上回る

2月のバター民間在庫量は2万1660トン(前年同月比22.2%増)となった(図10)。27年3月以降、前年同月を上回って推移しており、特に8月以降、増加率は20%を超えて推移している。また、同月の脱脂粉乳民間在庫量も5万1833トン(同21.7%増)と大幅に前年同月を上回った。これは、北海道を中心に生乳生産が回復し、バター・脱脂粉乳に仕向けられる生乳が増加したためである。



機構が毎月公表している需給予測によると、2〜4月の月平均生産量はバターが6600トン(前年同期比12%増)、脱脂粉乳が1万2700トン(同8%増)と、今後も短期的には増加基調で推移するとみられる。

(畜産需給部 岡 千晴)


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