需給動向 国内

◆豚 肉◆

平成29年度上半期の需給、生産量は減少、輸入量は増加



平成29年9月の豚肉需給を見ると、生産量は7万286トン(前年同月比3.9%減)とやや減少した。輸入量は7万2997トン(同1.0%増)とわずかに増加した。推定出回り量は14万9259トン(同2.0%減)と前年同月をわずかに下回り、推定期末在庫は前月から6010トン取り崩し、17万1053トン(同1.0%増)と前年同月をわずかに上回った(農林水産省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。

上半期の冷蔵品および冷凍品輸入量、いずれも増加

平成29年度上半期(4〜9月)の生産量は、昨年の夏場の暑さによる繁殖成績の低下に伴い肥育頭数が減少している中で、今年も一部の生産地で暑さによる生育不良となったことから、7〜9月に前年同月を下回った結果、42万4930トン(前年同期比1.4%減)とわずかに減少した(図3)。

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一方、上半期の輸入量は、45万8980トン(同6.3%増)と前年同期をかなりの程度上回った。

このうち、テーブルミートとしてすでに一定の需要が定着している冷蔵品は、19万1619トン(同8.0%増)とかなりの程度増加した。輸入相手国別に見ると、米国産は10万1295トン(同2.0%減)と減少する一方で、カナダ産は8万4808トン(同24.5%増)と前年度に引き続き大幅に増加した。カナダでは、輸出促進の観点から品質向上に取り組んでおり、肉質を重視する小売業者などがカナダ産を選択する動きも見られている。

また、冷凍品は、26万7347トン(同5.1%増)と前年同期をやや上回った。輸入相手国別に見ると、EU産は、デンマーク産がわずかに増加するとともに、スペイン産も前年度に引き続き大幅に増加したことなどにより、16万9868トン(同8.3%増)となった。EU産については、デンマークが長らく最大の調達先となっていたものの、近年スペインからの輸入量が増加傾向で推移しており、デンマーク以外の需要も定着しているとみられる。

上半期の推定出回り量はやや増加

平成29年度上半期の推定出回り量は、牛肉相場の高止まりの影響を受けて、家計消費などが好調なことから、89万58トン(前年同期比3.2%増)とやや増加した。

また、9月の推定期末在庫は、17万1053トン(前年同月比1.0%増)と前年同月をわずかに上回った。

豚枝肉卸売価格は高値で推移

平成29年度上半期の豚枝肉卸売価格(省令価格)は、牛肉相場高が続く中で輸入量が増加する一方、生産量が減少したことなどから、比較的堅調に推移した(図4)。4月に1キログラム当たり510円と前年度をやや上回る水準で始まった同価格は、例年ピークを迎える6月には同644円と前年同月を2.4%上回った。その後は、例年、9月には出荷頭数の増加に伴い、大幅に低下する傾向にあるが、今年度は同614円と600円台を維持する展開となっており、例年より高い水準となっている。

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(畜産需給部 小林 智也)


				

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