需給動向 国内 |
平成29年11月の鶏卵の標準取引価格(注)を見ると、冬場の需要期に向けて上昇基調で推移し、1キログラム当たり219.88円(前年同月比2.1%安)と前月から9.94円上昇した(図11)。
鶏卵価格は、例年、夏場に底を迎え、需要期の冬場に向けて上昇する傾向がある。29年においても、10月は、季節的に卵重が安定し、順調な生産が行われていた一方、気温の低下で、おでんなどの季節需要が高まったため、相場は上昇傾向で推移した。11月以降は、最需要期に向けて生産量は増加傾向となっている一方、一段と寒さが厳しくなり、さらなる季節需要の高まりで相場は引き続き上昇している。
今後、需要面では、クリスマスの洋菓子需要や年末商戦の盛り上がりに加え、引き続きおでんやすき焼きなどの季節需要が高まると見込まれる。一方、供給面では、例年通り年末年始にかけて、加工筋や量販店の一部休業などにより一時的に在庫過多になり、鶏卵相場は年初に大きく低下するが、在庫解消とともに回復していくものとみられる。
(注):標準取引価格とは、JA全農たまご株式会社の東日本営業本部および西日本営業本部において販売された、箱詰鶏卵規格およびパック詰鶏卵規格に定める全種類の鶏卵の1キログラム当たりの加重平均価格のことをいう。
鶏卵卸売価格(大阪)を見ると、西日本は夏場の暑さなどの影響で大玉を中心に生産が低調となっていたため、L玉がM玉を大きく上回っていた。しかし、10月は例年通り気温の低下とともに大玉の発生率が高まったため、L玉価格はM玉を下回ることとなった(図12)。
今後は、需要期に向け、相場は小玉を中心に全サイズで上昇するとみられる。
(畜産需給部 河村 侑紀)