需給動向 海外 |
◆EU◆
輸出の停滞により、豚価が下落
欧州委員会によると、2017年9月の豚枝肉生産量(EU28カ国)は、前年同月比0.7%減の195万トンと4カ月連続の減少となった(図9)。
1〜9月までの累計も前年同期比1.5%減となった。加盟国別に見ても、上位7カ国では、ポーランド(同0.4%増)を除く全ての国が減少となっている(表6)。
欧州委員会が2017年10月5日に公表した短期見通しによると、2017年通年の同生産量は前年比1.1%減と見込まれている。
2017年1〜9月の豚肉輸出量(EU28カ国)は、前年同期比10.4%減の280万トンとなった(表7)。
最大の輸出先である中国向け(同30.5%減)が2017年に入ってから前年を大きく下回って推移しており、日本向け(同6.6%増)、韓国向け(同14.1%増)、フィリピン向け(同15.8%増)、米国向け(同28.6%増)などが増加するも、補完できていない状況が続いている。
欧州委員会の短期見通しによると、2017年通年の同輸出量は前年比9.0%減と見込まれている。
欧州委員会によると、2017年10月の豚枝肉卸売価格(EU28カ国)は、前月から8.4%下落し、前年同月比4.2%安の100キログラム当たり151.4ユーロ(2万288円:1ユーロ=134円)となった(図10)。
同価格は、2016年5月以来16カ月ぶりに前年を下回った前月に続く前年割れとなった。
(調査情報部 大内田 一弘)