需給動向 国内

◆豚 肉◆

食肉加工品生産量、29年は好調に推移



平成29年10月の豚肉需給を見ると、生産量は7万7449トン(前年同月比4.0%増)とやや、輸入量は7万8414トン(同12.3%増)とかなり大きく、いずれも前年同月を上回った。輸入量のうち、主にテーブルミートとして消費される冷蔵品は3万3108トン(同15.9%増)と前年同月をかなり大きく上回った。また、主に加工業務用として使用される冷凍品は4万5305トン(同9.9%増)と前年同月をかなりの程度上回った。推定出回り量は15万9838トン(同6.6%増)と前年同月をかなりの程度上回り、推定期末在庫は前月から4036トン取り崩し、16万7017トン(同2.0%増)と前年同月をわずかに上回った(農林水産省「食肉流通統計」、財務省「貿易統計」、農畜産業振興機構調べ)。

29年9月の食肉加工品生産量、前年同月を上回る

ハムやソーセージ、ベーコンなどに代表される食肉加工品への仕向肉量のうち、最も多い食肉は豚肉である。このため、加工品の需要動向は豚肉需給に大きな影響を与える要素の一つである。

平成29年9月の食肉加工品生産量は、4万5886トン(前年同月比1.2%増)と前年同月をわずかに上回った。このうち、ハムが前年同月並みとなった一方で、ソーセージ類、ベーコン類は前年同月をわずかに上回った。

食肉加工品については、一昨年の世界保健機構の外部組織である国際がん研究機関(以下「IARC」という)が発がん性リスクについて発表した影響から消費者の食肉加工品離れが起きていたものの、29年は、2月と4月を除いて生産量が前年を上回るなど好調に推移している(図3)((公社)日本食肉協議会調べ)。

009a

食肉加工品の購入数量も好調に推移

総務省が公表した「家計調査報告」によると、29年に入り、食肉加工品の購入数量は、ハムは前年を下回る月が多いものの、ソーセージおよびベーコンでは、おおむね前年を上回って推移している(図4)。また、8月以降は、ハム、ソーセージ、ベーコンともに前年同月を上回り好調に推移している。

010a

この要因として、内容量を一時的に増加させる食肉加工メーカーの販促活動などにより、小売店での販売も好調だったとの声も聞かれており、今後も末端消費を含めた食品加工品の動向に注視していく必要がある。

(畜産需給部 小林 智也)


				

元のページに戻る