需給動向 海外 |
◆米 国◆
生産増も、豚価は堅調に推移
米国農務省全国農業統計局(USDA/NASS)が2017年11月22日に公表した「Livestock Slaughter」によると、10月の豚と畜頭数は、前年同月比5.3%増の1099万7800頭であった。また、1頭当たり平均枝肉重量(連邦政府検査ベース)は、前年同月並みの95.7キログラムとなった。こうしたことから、同月の豚肉生産量は、同5.4%増の105万700トンと、10月としては過去最高を記録した(図6)。今後の生産量について、USDAは2017年第4四半期を前年同期比4.6%増の315万5000トン、2017年通年については、前年比3.2%増の1167万5000トンと見込んでいる。
米国農務省経済調査局(USDA/ERS)によると、2017年11月の肥育豚価格(速報値)は、100ポンド当たり47.25米ドル(1キログラム当たり117円:1米ドル=113円)と、前年同月を37.1%上回った(図7)。この背景には、同年9月上旬から新たに稼働した中西部の2つのと畜施設が稼働率を上げるため、肥育豚の集荷を増やしていることがあるとみられる。
また、同月の豚肉卸売価格(カットアウトバリュー(注))は、同10.4%高の同81.50米ドル(同203円、速報値)となり、同年6月以降6カ月連続で前年同月を上回った。
(注)各部分肉の卸売価格を1頭分の枝肉に再構成した卸売指標価格。
USDA/ERSによると、2017年9月の豚肉輸出量は、前年同月比1.8%増の19万1200トンであった。主要輸出先国別に見ると、第2位の日本向けは4万1600トンと前年を3.4%下回ったものの、第1位のメキシコ向けや第3位のカナダ向けはそれぞれ6万6100トン(前年同月比1.1%増)、2万3000トン(同0.6%増)と前年を上回った。
USDAは今後の輸出量について、第4四半期を68万トン(前年同期比3.0%増)、2017年通年については253万5000トン(前年比6.7%増)と見込んでいる(図8)。
(調査情報部 野田 圭介)