冬期の低温・多雨が生乳生産に影響
95年6月に始まった95/96年度の生乳生産は、 9月までの4カ月間の生産 量が前年同期を1. 4%下回る状況となっている。 ニュージーランド・デイリー・ボード (NZDB) によると、 搾乳牛の飼養頭数が 2%〜3%増加しているにもかかわらず、 生産量が前年を下回っている理由は、 今年の冬 (6月〜7月) が例年になく低温で降雨・雪が多く、 牧草の生育が遅れ たこと等が影響したとのことである。 しかしながら、 NZDBは、 天候が回復すれば生乳生産のピーク期間が長くなり、 最終的には前年度水準を若干上回るだろうと見込んでおり、 95/96年度の加工向 け生乳生産量を、 前年度を1%程度上回る74万トン (乳固形分換算)、 乳脂肪換 算では、 42万5千トンと予測している。 生乳生産量の推移(95/96年度) (単位:百万リットル) ──────────────────────── 項 目 6月 7月 8月 9月 合計 ──────────────────────── 数 量 12 39 506 1,093 1,650 前年比% +3.3% +8.3% -1.6% -2.0% -1.4% ──────────────────────── 資料:NZDB 注:生乳換算ベース95/96年度の乳価は過去最高となる見込み
ニュージーランドの乳価は、 NZDBの決定する基本乳価に、 各乳業メーカーがそ れぞれの企業の業績などに応じた上乗せ分を加えて決められる。 NZDBは当初、 95 /96年度の基本乳価を、 乳固形分1kg当たり3.00ドルから3.10ドル (ニュージ ーランド・ドル、 以下同じ) としていたが、 10月にこれを上方修正し、 最終的に 3.40ドル〜3.50ドルとすると発表した。 この価格は、 89/90年度の3.33ドルを抜 いて、 過去最高の価格となる。 NZDBは、 高乳価の要因について、 乳製品の国際市況が引き続き堅調に推移して いることと、 NZDBによる付加価値商品推進戦略が成功していることを挙げている。 また、 各乳業メーカーの上乗せ分を含めた平均乳価は、 前年度の3.39ドルを10 %〜14%上回る3. 75ドル〜3. 85ドルになると見込まれている。