90年代以降、 急速に検定率が上昇
ニュージーランドの乳牛の牛群検定の歴史は古く、 その開始は今世紀初頭までさ かのぼるが、 その普及率は、 1960年代までは20%台、 70年代が30%台、 80年代が40 〜50%台と、 決して高い水準ではなかった。 ところが、 90年代に入り、 牛群検定の普及率は急速に上昇し、 ニュージーランド 家畜改良公社がまとめた関係資料によれば、 92/93年度は75%、 そして93/94年度 には84. 8%に達した。 これは、 乳製品の国際市況が好調な中での生産者の牛群改 良による生産拡大意欲の高まりを反映していると考えられる。 牛群検定普及率の推移 ──────────────── 年 度 検定参加 検定普及率 牛群数 (牛群) (頭数) ──────────────── 1980/81 6,789 42.9% 44.8% 1985/86 9,026 58.9% 63.9% 1990/91 8,918 61.7% 65.2% 1991/92 8,661 59.9% 66.1% 1992/93 10,843 75.0% 78.4% 1993/94 12,372 84.8% 86.9% ────────────────乳量は年間3千6百リットル、 乳脂肪は4. 7〜4. 8%
産乳能力については、 放牧型の酪農という特徴からの変動に伴う増減はあるもの の、 近年では全体的にその向上が図られており、 搾乳牛1頭当たり乳量は、 93/94 年度には3, 560リットルとなった。 また、 同国では加工向けの需要が圧倒的に多く、 歴史的に乳脂肪が重視された改 良が行われてきたため、 平均的乳脂率は4. 7〜4. 8%と高いが、 近年、 無脂乳固形 分が重視されるようになり、 改良の方向も乳たんぱく質の増加に重点が移されてい る。平均体細胞数は前年度より大幅に減少
また、 乳質改善は今や世界的な重要課題となっているが、 平均体細胞数は、 乳業 メーカーサイドからの強い要求、 飼養管理技術の改善などの要因も加わり、 93/94 年度は前年度の28万個から21万6千個へと大幅に減少されたことが注目される。 〈牛群検定成績の推移〉(1頭当たり平均、単位:リットル、s、%、1000個) ────────────────────────────────── 年 度 乳 量 乳脂量 乳脂率 乳たんぱく量 乳たんぱく率 体細胞数 ────────────────────────────────── 1970/71 2,809 134 4.77 − − − 1980/81 3,331 160 4.80 − − − 1990/91 3,190 152 4.81 116 3.65 298 1991/92 3,361 162 4.83 124 3.70 282 1992/93 3,298 157 4.77 121 3.65 280 1993/94 3,560 171 4.84 131 3.69 216 ──────────────────────────────────
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