夏穀物の生産量、 過去最高の見込み (豪州)





● 良好な天候や農家の作付意欲の増加が背景

 豪州農業経済資源局 (ABARE) によれば、 ソルガム、 綿実、 大豆、 コメなどで 構成される豪州の夏穀物の収穫量は、 前年度を33%上回る412万トンとなり、 過 去最高を記録する見通しとなった。  夏穀物の主要生産地域は、 東部沿岸のニューサウスウェールズ州とクィーンズ ランド州である。 ABAREは、 今年度の増産見込みの理由として、 昨年後半以降、 両州で平年を上回る降雨を記録したこと、 穀物価格が高値で推移したことから農 家の作付意欲が高まり、 作付面積が前年度比22%増 (135万9千ヘクタール) と なったこと、 生育段階において天候に恵まれたことを挙げている。

● ソルガムの収穫量は前年度比70%増

 特に、 飼料用穀物として重要なソルガムは、 播種時期に当たる昨年10〜12月に 適度な降雨に恵まれたことから、 作付面積は前年度比30%増の65万2千ヘクター ルとなり、 収穫量は同70%増の172万5千トンに拡大するものと見込まれている。  これを州別にみると、 クィーンズランド州ではソルガムの生産が例年になく順 調で、 作付面積は前年度比43%増の50万ヘクタールに達し、 収穫量は130万トン とほぼ倍増が見込まれている。 また、 ニューサウスウェールズ州でも、 長雨で一 部地域の播種が遅れたものの、 全般的には順調で、 作付面積は前年度と同じ15万 ヘクタール、 収穫量は24%増の42万トンが見込まれている。

● 飼料穀物価格はゆるやかに低下か

 今後、 4〜5月に収穫の最盛期を迎えることとなるが、 これが順調に進んだ場 合、 高値で推移してきた飼料穀物価格にどの程度のインパクトを与えるかが注目 されている。 畜産関係者の間では、 国際需給が極めてタイトであるため、 大幅に 値下がりすることはないものの、 大口需要者であるフィードロットで、 導入頭数 が低水準で推移していることなどから、 価格はゆるやかに低下するとの見通しが 一般的となっている。
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