95年の畜産物・穀物類の生産状況 (中国)





● 豚飼養頭数が前年を超える伸び率に

 国家統計局は、 「1995年の国民経済に関する統計公報」 (速報値) を3月初めに 発表したが、 主要家畜・畜産物、 穀物類の飼養/生産量は、 いずれも前年実績を 上回った。  畜産で最も重要な地位を占める養豚部門では、 その飼養頭数 (年末時点) の伸 び率が、 前年をさらに上回る6. 5%と、 依然として強い豚肉需要の伸びに支えら れて、 過剰気味ながらも引き続き高い伸び率を示した。         <主要家畜・畜産物、穀物等生産量抜粋> ───────────────────────────────────────  95年実績 前年比(%)94年実績 前年比 93年実績 前年比 92年実績       (万頭/トン) ─────────────────────────────────────── 豚飼養頭数 44,141 + 6.5 41,462 + 5.5 39,300 + 2.3 38,421 羊飼養頭数 27,327 + 13.6 24,053 + 10.7 21,731 + 4.8 20,733 肉類生産量 5,000 + 11.1   4,499 + 17.1 3,842 + 12.0 3,430 生乳生産量 548 + 3.6 529 + 6.0 499 - 0.8 503 糧食生産量 46,500 + 4.5 44,510 - 2.5 45,649 + 3.1 44,266  うち穀物 41,700 + 5.9 39,389 - 2.8 40,517 + 0.9 40,170 ─────────────────────────────────────── (注)1 資料: 中国国家統計局 2 糧食には、一部のイモ類、マメ類を含む

● 肉類総生産量の伸び率は前年に比べて鈍化

 一方、 豚肉に鶏肉、 牛肉、 羊肉などの主要な食肉を加えた肉類の総生産量は、 その伸び率が11. 1%となり、 前年伸び率を7ポイントも下回った。 これは、 全 体の7割以上を占める豚肉部門で、 生産過剰による価格低下を反映して肉豚出荷 を遅らせているため、 生産の伸び率が大幅に低下したことが主因とみられる。 ま た、 このことは、 年末の豚飼養頭数の伸び率が、 前年実績を上回ったことにも一 部反映していると考えられる。

● 容易ではない生乳生産の急拡大

 開放政策や経済発展に伴う所得急増による食生活の変化により、 都市部を中心 に、 牛乳・乳製品の需要が急速に伸びている。 しかしながら、 95年の生乳生産の 伸び率は3. 6%と、 前年の伸び率を2. 4ポイント下回っており、 需要の急増に対 応することが困難であることを示している。 また、 牛乳やアイスクリーム、 育児 用粉乳など、 需要が急増している品目では輸入が急増しており、 このことが生乳 生産の伸びを抑制している面も少なくないと考えられる。  中国政府農業部は、 西暦2000年に、 生乳生産1, 024万トンの計画目標を持って いるが、 95年の伸び率が3. 6%にとどまったことから、 その達成には、 今後かな りの困難が予想される。
元のページに戻る