豚肉輸出・消費拡大に向けて生産者が取り組み (米国)





● 消費・輸出の拡大を目指す 「MOC2000」

 全米豚肉生産者協議会 (NPPC) は、 MOC2000 (Meat of the Choice by theyear 2000) と呼ばれる運動を実施している。 これは、 2000年までに、 (1) 米国を世界 一の豚肉輸出国にすること (現在はデンマークに次ぎ、 第2位)、 (2) 米国の1 人当たり豚肉消費量を食肉の中で最大にすること (95年はブロイラー34kg、 牛肉 30kg、 豚肉24kgの順、 いずれも小売重量ベース) を目標としたものである。  NPPCは、 消費拡大目標について、 中国など世界の多くの国々で豚肉の消費量が 食肉の中で第1位となっていることや、 国内においても、 1952年までは牛肉を上 回っていたことなどを指摘し、 決して達成不可能なものではないとしている。

● 生産者段階での取り組みを呼びかけ

 この運動では、 2つの目標の実現を目指して、 従来の広告などによる販売促進 事業等が実施されるほか、 生産者に対して、 生産性や品質の向上、 環境問題など により一層取り組むように働きかけが行われている。 NPPCは、 生産者が、 それら にきちんと対応することで、 競争力があり、 かつ、 近年環境意識の高まっている 消費者にも受け入れられる豚肉の生産が可能になるとしている。  NPPCは、 生産者の取り組みの具体的な内容として、 (1) 研修会などへの参加に よって、 最新の生産、 技術についての知識を習得し、 生産性の向上に努めること、 (2) NPPCの環境保全プログラムに参加し、 環境問題の視点から適切に生産を管理 すること、 (3) 近隣家庭や地域社会と友好的な関係を保つこと、 (4) NPPCの品質 向上プログラムに参加すること、 などを示している。  なお、 この運動の下で実施される各種事業の財源としては、 法律に基づき生産 者や輸入業者から徴収される賦課金 (チェックオフ) が充てられる。
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