米国の牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○生乳生産が減少


● 6月の全米の生乳生産量は、 前年同月比3%減少


 6月の全米の生乳生産量は、 590万トンで、 前年同月と比べて2.6%減少した。  これは、 全米生乳生産量の約8割を占めるカリフォルニア州やウイスコンシン 州などの主要22州で、 総飼養頭数が減少したこと、 厳しい暑さが続いたこと、 ま た、 飼料価格の上昇により飼料の多給を必要とするbSTの使用が減少したことか ら、 1頭当たりの乳量が減ったためと見られている。 ちなみに、 主要22州の同月 の生産量は、 前年同月比2.5%減少し、 508万トンとなった。 全米の生乳生産量は、 96年3月以降、 前年を下回って推移している。  その結果、 酪農関係者の多くが予想していたとおり、 6月の生乳の生産者販売 価格は、 全米平均で100ポンド当たり14.6ドル (約35.5円/kg) と、 前年同月比 で20.7%、 また、 前月比では2.1%上昇した。

● ウイスコンシン州が前年同月比6.4%の減少


 米国の生乳生産の中心は、 伝統的な生産地域であるミネソタやウイスコンシン 州から、 大規模な生産が可能なカリフォルニアやニューメキシコ州等の西部地域 へ移動しつつある。 6月の生乳生産量を州別にみると、 カリフォルニア州が99万 8千トンで第1位、 ウイスコンシン州が86万2千トンで第2位、 ニューヨーク州 が45万千トンで第3位を占めた。 主要22州のうち、 生産量が前年に比べ増加した 州は、 アイダホ州 (11%)、 ミネソタ州 (5%)、 テキサス州 (2%)、カリフォル ニア州 (1%) の4州で、 残りの18州は、 1頭当たりの乳量の減少により、 1% から16%の間で減少した。 なお、 生乳生産第2位のウイスコンシン州は、 6.4%、 5万9千トンの減少、 第3位のニューヨーク州は、 1.1%、 5千トンの減少となっ た。

● 1頭当たりの乳量、 乳牛飼養頭数は減少


 飼料価格の高騰でbSTの使用が減少していることから、 主要22州における、6月 の1頭当たりの乳量は、 635kgと、 前年同月と比べ1.4%、 9kg減少し、 2カ月連 続の減少となった。  また、 主要22州の6月の乳牛の飼養頭数は、 798万頭で、 前年同月と比べ8万 7千頭 (1.1%)、 前月と比べ8千頭 (0.1%) 減少し、 減少傾向が続いている。 ただし、 これを州別にみると、 カリフォルニア州が前年同月比0.5%、 8千頭増 加したのに対して、 ウイスコンシン州は前年比2.8%、 4万2千頭減少するなど、 州による違いがみられている。
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