米国の豚肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○飼養頭数が減少


● 生産意欲の減退を反映して減少


 米国では、 飼料価格の高騰による養豚経営の生産意欲の減退などを反映して、 3月から5月までの子豚生産頭数が前年同期より6%減少し、 6月1日現在の豚 の総飼養頭数も、 前年同期と比べ3.6%減少して、 5千800万頭となった。  飼養頭数の内訳では、 飼料価格の高騰による経営の先行き不安のため、 繁殖豚 頭数が前年同期比4.8%減少の690万頭となったが、 肥育豚価格が当面は堅調に推 移するものと予想されていることから、 肥育豚頭数は前年同期比3.4%の減少に とどまり、 5千110万頭となった。

● 第2四半期の肥育豚価格は、 前年比17ドル高


 第2四半期の肥育豚生産者平均販売価格は、 豚肉生産量の低下と日本などへの 輸出需要の増加の影響で、 55ドル/100ポンド (133.9円/kg) と前年同期に比べ 17ドル高くなった。  米農務省 (USDA) は、 第3四半期の肥育豚価格については、 豚肉生産量の減少 や輸出需要の低下、 牛肉価格の低下による食肉需要の牛肉へのシフトにより、 55 ドルから50ドルの後半で推移すると見込んでいる。 それ以降も同様な状況が続く ことから、 秋から冬にかけては50ドルの前半で、 また、 97年の春から夏にかけて は、 再び50ドルの半ばで推移するものの、 秋には40ドルの後半まで低下するもの と見ている。

● 96年の豚肉生産量は、 前年比4%の減少見込み


 USDAは、 豚肉生産の今後の見込みについて、 95年12月から96年2月期の子豚生 産頭数が下方修正されたことと、 同3月から5月期の妊娠している豚の頭数が前 年同期比8%減となっていることから、 96年下期には引き続き、 前年を下回って 推移し、 その結果、 96年の豚肉生産量は、 776万トンと、 前年に比べ4%の減少 になるものと予測している。  また、 USDAは、 見通しが不透明な飼料供給量と高い飼料価格を背景とした豚飼 養頭数の減少によって、 豚肉生産量は、 今後長期に亘って、 低下傾向で推移する ものと分析している。
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