豪州の牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○フィードロット飼養頭数が回復へ


1年ぶりでプラスに転ずる見込み


 豪州フィードロット協会 (ALFA) と豪州食肉畜産公社 (AMLC) が、 飼養頭数5 00頭以上のALFA認定フィードロットを対象に、 四半期ごとに共同で行っている 飼養動向調査によると、 96年9月末時点のフィードロット飼養頭数は約32万 7千頭となり、 6月末時点と比較すると、 約8.2%の減少となった。 しかしな がら、 この減少率をその前の期間 (3月末→6月末) における大幅な減少率 (▲ 18.0%) と比較すると、 その減少幅がかなり縮小する傾向が顕著となってい る。  さらに、 ALFAによると、 次回の調査が行われる12月末には、 飼養頭数が約3 4万頭に増加するものと見込まれており、 95年12月末調査以来、 一年振りで プラスに転ずるものとみられている。

クイーンズランド州がいち早く回復傾向に


 豪州のフィードロット産業は、 クイーンズランド (QLD) 州とニューサウスウ ェールズ (NSW)州の両州が、 飼養頭数全体の9割を占める構造となっている。 こ うした中で、 その飼養頭数傾向についてみると、 6月末から9月末にかけて、 QL D州が9. 2%増加したのに対して、 NSW州は逆に11. 8%も減少し、 両州で 極めて対照的な傾向を示した。 しかしながら、 9月末から12月末にかけては、 それぞれ、 6. 3%、 3. 7%の伸び率で両州ともに増加することが見込まれ ており、 もう少し長い視野で見た場合でも、 両州の増頭傾向は動かないとみられ ている。 したがって、 6月末から9月末にかけて対照的な動向を示したのは、 QL D州の方が、 飼養頭数の回復傾向が早く表れたことを示したことになる。 ALFAは、 全般的な飼養頭数回復傾向の理由として、 伝統的な穀物肥育牛肉の仕向け先であ りながら、 病原性大腸菌問題もあって輸出が低迷していた日本市場の回復傾向を 挙げており、 輸出依存度が7割前後と極めて高いQLD州で、 国内仕向け割合の高 いNSW州に先立つ形で増頭傾向が表れたものと考えられている。  なお、 第三位のビクトリア州は、 12月末時点の予測でも飼養頭数の落ち込み が依然として大きいが、 これは、 最近同州で、 大規模なフィードロットの閉鎖が あったことが大きく関係しているものと考えられる。 州別フィードロット飼養頭数 (単位:頭)     ───────────────────────────────────   地 域(州) A B C   96年6月末 9月末(B/A,%) 12月末(予測)(C/B,%)    ───────────────────────────────────  クイーンズランド 167,885 183,322(109.2) 194,785(106.3)  ニューサウスウェールズ 132,960 117,212( 88.2) 121,542(103.7)  ビクトリア 31,284 15,055( 48.1) 8,228( 54.7)  ウェスタンオーストラリア 13,252 6,987( 52.7)   11,736(168.0)  サウスオーストラリア 10,793   4,407( 40.8)   3,995( 90.7) ───────────────────────────────────  合  計 356,174 326,983( 91.8) 340,286(104.1) ───────────────────────────────────  資料:ALFA/AMLC 「National Feedlot Survey」
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