NZの牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○チーズの輸出動向


95/96年度は15万8千トン


 ニュージーランドの輸出統計によると、 95/96貿易年度 (95年7月〜9 6年6月) のチーズ輸出量 (カードを除く) は、 前年度を4%上回る15万8千 トンとなった。  チーズ輸出量は、 年々増加しており、 95/96年度の輸出量は、 91/92 年度 (10万1千トン) と比較すると、 57%の増加となった (図1) 。 つまり、 この間に、 年度平均で二ケタ台の拡大ペースを示したことになる。  輸出量がハイペースで増加した背景には、 輸入国側で需要が顕著に増加したこ とに加え、 バターなどの基礎的乳製品に比べて、 より高い収益が期待できること から、 メーカー側もチーズ生産に重点を移してきたことが挙げられる。  なお、 95/96年度の輸出量が前年度比で4%の増加にとどまったのは、 そ れ以前の伸びが非常に大きかったことの反動とみられ、 商品市場に一般的にあり がちな、 一種の 「踊り場」 現象とみることができる。

上位3カ国向けは前年度比二ケタ増


 95/96年度の主な輸出相手国は、 日本、 豪州、 ロシアなどとなっている (図2) 。  伝統的に最大の輸出市場である日本向けは、 前年度を10%上回る4万5千ト ンであった。 大手ピザ宅配チェーン向けのモッツアレラタイプチーズの販売が好 調であったことなどが、 この輸出増加に寄与している。  また、 第2位の豪州向けも、 前年度比38%増の2万2千トンと極めて好調で あった。 この背景には、 95/96年度にニュージーランド・デーリー・ボード が豪州の食品企業を買収し、 ここを拠点に豪州内の大手スーパーを通じてチーズ の販売を拡大したことや、 大手ハンバーガーチェーンと供給契約を結んだことな どがあるとみられる。  第3位のロシア向けは、 前年度比17%増の1万6千トンとなり、 米国を抜い て前年度の第4位から順位を上げた。 ロシアでは、 「CHESDALE」 ブランドのチー ズ販売量が前年度の5倍になるなど、 消費者向け製品の市場が大きく拡大したこ とが、 輸出増の背景となっている。  なお、 種類別にみると、 チェダーチーズ (パウダータイプを除く) の割合が最 も大きく、 95/96年度は5万9千トンと全体の38%を占めた (図3) 。 し かしながら、 この割合は、 商品群の多様化が進んでいることから、 前年度の41 %と比べ、 4ポイントの低下となっている。
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