米国の豚肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○豚肉の消費動向


96年の1人当たりの消費量は、 前年比6%減


 米農務省 (USDA) によると、 米国の1人当たりの年間豚肉消費量 (小売重量ベ ース) は、 95年には対前年比1. 3%減の52. 4ポンド (23. 8kg) 、 また、 96年も対前年比5.9%減の49.3ポンド (22.4kg) の2年連続 の減少になると見込まれている。 これは、 競合する食肉である牛肉価格が、 生産 量の増加によりここ数年低水準で推移したためとみられている。

近年消費は50ポンド前後で推移


 ちなみに、 1人当たり豚肉消費量の長期トレンドを見ると、 71年に60.6 ポンド (27.5kg) と、 ここ25年間で最高を記録した後、 75年には生産量 の減少に伴って小売価格が上昇したことから大きく減少し、 42.9ポンド (1 9.5kg) と最低を記録した。 その後は、 業界が消費者の志向に適応した製品開 発を行ったこと等もあって、 概ね50ポンド (22.7kg) 前後で安定的に推移 していた。

共同開発によりベーコン需要を拡大


 最近の消費量の伸び悩みに対して、 全米豚肉生産者協議会 (NPPC) 等関係団体 は、 生産者等から徴収している賦課金であるチェックオフ資金等を使って、 テレ ビや雑誌等のメディアを通じて、 豚肉及び豚肉製品の消費拡大・販売促進のため の宣伝活動を行っている。 また、 豚肉製品をファスト・フード業界に利用しても らうための業界団体との新製品共同開発も行っており、 その結果、 今年はファス ト・フードにおけるベーコンの需要が大幅に伸びて、 ベリーの相場が前年水準を 大きく上回った。

秋口からの販促プロモーションに期待


 消費者向けへの宣伝活動は、 年間を通して行われているが、 今年は、 消費量の 落ちる秋口に、 朝食にハム等の加工品を使ってもらうためのテレビでの宣伝や、 また、 ギフトシーズンであるクリスマスにかけては、 雑誌を中心にしての販促プ ロモーションを行っている。  また、 NPPCは、 来年1月末に開催される、 アメリカンフットボールのスーパー ボールでのテレビコマーシャルの放映権を、 3年連続で獲得している。 このイベ ントは、 毎年50%前後の視聴率を記録する人気番組であることから、 NPPCは、 かなりの宣伝効果があるものと期待している。
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