農業予算会計の95年度決算報告 (EU)



最終支出額は、 345億3百万ECU


 EU委員会は、 95年度の欧州農業指導保証基金 (EAGGF:EU予算の農業に関す る会計区分) の保証部門における決算報告書を公表した。 EAGGFの同部門は、 共 通農業政策 (CAP) の価格支持制度や所得補償制度に係る支出部門であり、 この 報告書によると、 同部門の95年度 (94年10月16日からの1年間) の最終 支出額は345億3百万ECU (約4兆3千億円、 対前年度比104. 6%) とな った。  なお、 95年度のEUの一般予算に占めるEAGGFの保証部門の割合は、 94年度 の55%から51. 7%へと低下したものの、 最大の支出科目となっている。

輸出補助金、 介入在庫に係る経費は減少


 今回、 発表された95年度のEAGGFの保証部門の決算報告書の主な特徴は次の とおりである。 1) 輸出補助金は、 94年度の81億6千百万ECU (約1兆2千億円) から95年  度には78億2百万ECU (約1兆1千億円) に減少した。 このうち、 乳製品は  22億6千7百万ECU (約3千3百億円) 、 牛乳/子牛肉は17億6千1百万E  CU (約2千6百億円) となっており、 両者で全体の過半数を占めた。 2) 介入在庫の保管に要した経費は、 95年に乳製品、 牛肉の域内需給が好転し  たことから、 在庫量が大幅に減少した結果、 93年度の53億8千6百万ECU  (約7千8百億円) 、 94年度の10億7千万ECU (約1千6百億円) から95  年度には3億3千9百万ECU (約5百億円) まで大幅に減少した。 3) 所得補償関係の補助金は、 CAP改革により補助金の単価が引き上げられたこと  もあり、 94年度の213億3千9百万ECU (約3兆1千億円) から95年度  には244億9千万ECU (約3兆6千億円) へ増加した。 4) 保証部門における品目ごとの支出割合は、 穀物が全体の43. 5%を占め、  次いで乳製品 (11. 7%) 、 牛肉/子牛肉 (11. 7%) などとなってい  る。 5) 保証部門における加盟国ごとの支出割合は、 フランスが24. 3%で最も大  きく、 次いでドイツ (15. 6%) 、 スペイン (13. 2%) 、 イタリア  (9. 8%) などとなっている。 (参考) EU主要国の品目別輸出補助金の実績 (95年度) ─────────────────────────  国 名 乳製品 牛(子牛)肉 豚 肉 ─────────────────────────  ベルギー 348.0   77.5  9.6  デンマーク 304.7   50.2  50.5  ドイツ 260.4  372.6  11.7  フランス 233.0   256.6  12.9  アイルランド 87.0   597.3  0.6  オランダ 796.5   207.7  16.4  イギリス 26.0   130.3  2.7 ─────────────────────────  EU(15) 2,267.1   1,761.0  118.2 ───────────────────────── 単位:百万ECU
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