豪州の牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○95年の牛肉輸出量は減少



 95年の牛肉輸出量は、 前年を5.5%下回る74万9千トン (船積重量ベース) とな

った。 米国向けの大幅な減少が大きな要因であるが、 近年順調に拡大してきた日

本向けもほぼ横ばいとなるなど、 これまでとやや状況が異なってきている。 



日本向けは前年並み

 日本向けは、 3年連続して第1位の輸出相手国となったが、 対日輸出量は前年 よりわずか1千4百トン増加の32万3百トン (前年比0. 4%増) に止まった。  日本向け輸出の内訳をみると、 ここ数年年率3〜5割近い伸びを示してきたグ レインフェッドが、 前年比92.0%と、 初めて減少に転じたことが注目される。 こ れは、 米国が生産拡大、 円高米ドル安等を背景に、 日本への牛肉輸出を急増させ、 日本市場での競合が激化したことが直接の要因であるが、 干ばつによる飼料穀物 価格の高騰などで、 豪州にとってコスト面で不利な条件が重なったことも影響し たとみられる。

米国向けは20%の大幅な減少

 第2位の米国向け輸出は、 21万トンと前年比20.1%の大幅な減少となった。 対 米輸出は、 米国の牛肉生産量が増加傾向にあることから92年の37万2千トンをピ ークに減少傾向にあるが、 この3年間で43.6%、 実量にして16万1千トンという 大幅な減少となった。

韓国向けは10.7%の増加、 カナダ向けは減少

 韓国向け輸出は、 前年を10.7%上回る6万4千トンと、 カナダ向けを抜いて3 位となった。 これは、 韓国が先のガット・ウルグアイラウンド合意により、 95年 から2001年にかけて牛肉の最低輸入数量を段階的に拡大することに合意したこと を背景にしている。  一方、 カナダ向けは前年を44.0%下回る3万3千トンと、 2年連続の大幅な減 少となったが、 これは、 米国で牛肉生産量が増加し、 需給が緩和したことの影響 を受けているものと思われる。
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