昨年夏以降、 大幅に値下がり
肥育素牛の価格 (去勢牛・オクラホマシティー市場、 以下同じ) は、 94年以降、
生産増による肥育牛価格の値下がりの影響を受けて、 ほぼ一貫して前年水準を下
回って推移している。 また、 昨年の夏以降は、 飼料価格の値上がりで、 下げ幅が
さらに大きなものとなっている。 例えば、 生体重500ポンドから550ポンドの素牛
価格については、 7月以降、 前年を20%以上下回る水準で推移している。 こうし
た値動きは、 肥育牛価格の低迷が続き、 飼料コストが増加する中で、 肥育業者が、
採算を合わせる手段の一つとして、 素牛の購入価格を低く押さえようとしている
ことがある。
重量の重い素牛の導入にシフト
肥育素牛価格の下落幅は、 生体重量の軽いものの方が、 より大きなものとなっ
ている。 95年の単純平均の値下がり率は、 750ポンドから800ポンドのものが、 前
年比12.4%となっているのに対し、 500ポンドから550ポンドのものは18.1%とな
っている。 これは、 肥育業者が、 飼料コストの軽減を図るために、 重量の重い素
牛を導入する傾向にあるためである。
厳しい子牛生産者の経営環境
価格の下落の続く中、 子牛生産者の経営にとって、 明るい材料としては、 乾草
の供給が潤沢であることや、 牧草の状態が比較的良いことなどがある。 このため、
米国農務省は、 子牛生産者が、 少しでも良い価格で出荷できるよう、 育成期間を
長期化する傾向を強めるものとみている。
なお、 米国内務省も、 こうした価格動向を勘案し、 国有地における放牧使用料
金の値下げを決定しているが、 素牛価格は、 今後もしばらくの間、 低迷するとみ
られており、 子牛生産者をめぐる経営環境の厳しさに、 変わりはないものと見込
まれる。
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