生産量、 前年比4.2%の増加
ブロイラーの生産量は、 70年代半ばから一貫して増加を続けているが、 95年に
ついても前年を4.2%上回った。 伸び率は、 90年以降の平均6.2%と比べるとやや
低くなっているが、 これは、 主として、 夏場の熱波発生の影響で8月と9月に前
年水準を若干下回ったためである。 熱波の生産に与える影響は、 当初、 かなり大
きいのではないかと懸念されていたが、 飼養管理の向上などにより、 比較的軽微
なものにとどまった。
生産拡大の背景に輸出の増加
こうした生産拡大の背景としては、 輸出の増加が挙げられる。 輸出量は、 95年
(10月までの累計) も、 前年同期比37.8%増と大幅な伸びを記録した。 中でも、
ロシア向けと香港向けがそれぞれ85.0%、 46.5%増加し、 全体の伸びに大きく貢
献した。 ロシアでは、 国内の食肉生産の減少から、 安価な輸入ブロイラーに対す
る需要が高く、 現在、 同国で消費されているブロイラーの7割が輸入物であると
いわれている。 なお、 安価なブロイラーの大幅な輸入増加が、 共産党や農業団体
の保護主義的傾向を硬化させ、 96年6月に予定されているロシア大統領選にも絡
んで、 関税の引上げなどにつながるのでは、 との憶測も一部にあるようだ。
日本向けは、 前年同期比3.4%の増加となったが、 シェアは昨年の9.0%から6.8
%に減少した。
消費量はわずかな伸び
一方、 95年の国内消費量は、 前年比0.9%増とわずかな伸びにとどまったもの
と推計されている。 93年から対前年伸び率は、 鈍化する傾向にあるが、 その背景
として、 消費がすでにかなり高い水準に達していること、 また、 95年については、
小売価格が後半に値上がりしたことなども挙げられよう。
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