構造調整が不可避的である養鶏産業 (中国)



集約化進展、 競争の激化などが今後の基本傾向

 中国牧畜水産消息報によれば、 著名な畜産専門家である単教授は、 最近の家畜 研究シンポジュームで見解を述べ、 (96年から始まった) 第9次5カ年計画の期間 中の養鶏産業の大きな傾向として、 次の4つの点を挙げた。 (1) 飼料価格 (高騰) の影響による成長速度の減速 (2) 集約化傾向が年々高まる (3) 市場経済のメカニズムによる企業間競争の激化 (4) 「外向き (注) 」 の畜産業が次第に盛んになる    (注) 「輸出志向の」 と解される

集約化や輸出志向は中国の現状に照らして有効

 同教授は、 飼料不足による生産コスト急増により畜産物価格が上昇したが、 ( 価格上昇は消費抑制につながるので、 ) 客観的に見ると、 飼料不足が養鶏産業の 成長を減速させたといえる、 と指摘すると共に、 養鶏産業の集約化は賢明な選択 であるとしている。  集約化によって、 企業は市場経済がもたらす 「波」 にうまく対処できるように なり、 企業活力も向上する。 また、 大型の国営企業は技術改善に力を入れ、 また、 個人企業の中には、 経営規模の拡大や新技術を積極的に採用しているところが、 既に出てきている。 単教授は、 (その具体的な事例と影響について、 ) 次の点を 挙げている。 (1) 原種鶏部門において、 従前から存在した養鶏場が衰退して、 新しい養鶏場 が出現しつつある。 (2) 鶏卵生産部門では、 農村部の個人経営の養鶏場が、 大型の国営鶏卵養鶏場 に少なからぬ影響を与えている。  また、 輸出志向の畜産業については、 中国の利点を活用しつつ欠点を克服でき る、 現状に適合した道であるとし、 次の点を指摘している。 (1) 輸入飼料穀物を用いて家畜を生産して (畜産物を) 輸出すれば、 労働力資 源の有効活用が可能となる。 (2) このことにより、 外貨収入を増やすことができるし、 畜産企業の収益に貢 献すると共に、 飼料穀物不足という制約を克服できる。 (95年12月26日付け 「肉禽蛋信息」 )
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