米国の牛肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○生産動向



95年のと畜頭数は前年比4%増

 と畜頭数は、 92年以降、 飼養頭数の増加を背景に、 前年を上回って推移してい るが、 95年についても前年を4%上回り、 3,544万頭 (枝肉重量で1,134万トン) となった (暫定値)。  種類別と畜頭数では、 乳製品市況が堅調であることから、 乳用経産牛が減少したほかは、 軒並み増加となった。 半分以上のシェアを占める 去勢牛は、 前年比1%増とわずかな伸びにとどまったものの、 未経産牛と肉用経 産牛は、 それぞれ9%、 8%と、 かなり増加した。

早期出荷でチョイス級が減少

 95年夏以降の飼料価格の高騰により、 フィードロットは、 体重の重い素牛を導 入する傾向を強めているが、 肥育期間が短縮されているため、 結果として、 チョ イス級に格付けされる牛肉の供給が減少しているとみられている。 チョイス級の 牛肉については、 特に、 レストランや輸出向けに底堅い需要があるため、 需給は、 ひっ迫しつつある。  こうした状況を反映して、 全般的に牛肉価格が低迷する中、 チョイス級の卸売 価格は、 比較的堅調に推移している。 この結果、 チョイス級の下位に位置するセ レクト級牛肉との価格差が、 特に10月以降、 10ドル/100ポンド (米国中央部)を 超えるなど、 顕著になっている。

96年も増加が継続

 米国農務省は、 昨年末、 96年の牛肉生産量について、 前年比3%増の1,173万 トンと予測した。 95年に雌牛のと畜が増加したものの、 牛群の減少に結びつくほ どの水準には達していないと同省は、 分析している。  また、 市況については、 96年も輸出の好調さが継続すると見込まれているもの の、 一方で、 供給増による価格引き下げの影響が大きいとみられることから、 肥 育牛価格の回復は期待薄とみられている。
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