豚肉業界で大型の企業買収が成立 (米国)



スミスフィールド社がジョン・モレル社を買収

 豚肉業界大手のスミスフィールド社は、 このほど、 同じく豚肉大手のジョン・ モレル社を総額5, 800万ドル (約58億円) で買収した。  両社の94年度の総売上高は、 ともに約15億ドル (約1, 500億円) で、 米国の業 界誌によるパッカー売上高ランキング (食肉総合) では、 ジョン・モレル社が11 位、 スミスフィールド社が12位となっている。

垂直統合企業と老舗パッカーの代表格

 スミスフィールド社は、 肉豚の生産から処理・加工までを一貫して行う垂直統 合企業の代表的な存在の一つで、 新興養豚地域であるノースカロライナ州を拠点 に、 東海岸一帯で事業を展開している。  一方、 買収されたジョン・モレル社は、 米国で最も古い歴史を有する食肉パッ カーで、 豚肉部門では、 知名度の高い全国ブランドの製品ラインを数多く持つこ とで知られている。

規模拡大と全国的な事業展開が狙い

 業界関係者によると、 ジョン・モレル社は赤字経営が続いており、 以前から売 却の話が持ち上がっていた。  また、 スミスフィールド社がジョン・モレル社の買収に踏み切った背景には、 単に加工処理部門の規模拡大を図るのみならず、 中西部に立地しているジョン・ モレル社の豚肉加工処理施設に加え、 同社の有名ブランドを獲得することで、 事 業の全国的な拡大に乗り出す狙いがあるものとみられる。

豚肉加工処理部門で全米第2位に躍進

 今回の買収により、 スミスフィールド社の肉豚処理能力は、 1日当たり6万9 千頭に拡大し、 年間で約68万トンの豚肉生産が可能になると見込まれている。 こ の結果、 同社は、 豚肉の加工処理部門において、 IBP社に次ぐ全米第2位の座に 躍進するものと予想されている。
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