● 生産量は顕著に増加
チーズ生産量は、 90/91年度 (年度は7月〜翌年6月) から、 4年連続で前年
を上回って推移しており、 90/91年度の17万9千トンから、 94/95年度には23万
5千トンとなった (図1)。
品目別の生産シェアをみると、 94/95年度には、 チェダータイプ (プロセスチ
ーズを含む) が生産量全体の65%程度を占め、 これに、 モッツァレラ系などのシ
ュレッドタイプ (15%)、 カッテージやクリームチーズなどのフレッシュタイプ
(10%) が続いている。
● 全タイプで増産傾向
生産量は、 すべての主要な品目群で大きく増加している。
90/91年度から94/95年度までの4年間における平均対前年増加率は、 チェダ
ータイプで6%、 気孔タイプ (ゴーダ、 エダムなど) で8%、 シュレッドタイプ
で12%、 硬質タイプ (パルメザンなど) で15%、 フレッシュタイプで6%、 かび
タイプ (カマンベールなど) で16%となっている (なお、 フェタなどその他のタ
イプについてはマイナスとなっているが、 数量は少ない)。
● 内外市場の拡大に対応
生産量の増加の背景には、 国内および海外市場の拡大がある。 チーズは、 豪州
で生産される他の乳製品と異なり、 国内向けの割合が高かったため、 生産量は、
国内の消費動向に大きく左右されてきた。 しかしながら、 近年は、 輸出向けの割
合が、 おおよそ4割まで高まっていることから、 輸出の動向も、 生産量に大きな
影響を与えつつある。
90/91年度から94/95年度の4年間における、 国内消費量と輸出量の平均対前
年増減率をみると (図2)、 一部を除き、 いずれも、 国内消費量と輸出量の双方
で、 顕著な増加を示している。
● 95/96年度も好調
なお、 生産量は、 95/96年度に入ってからも、 96年2月までの8カ月間の累計
で約19万トンと、 前年同期を10%上回る好調な伸びを示している。
豪州農業資源経済局 (ABARE) は、 市場拡大を背景に、 バターや脱脂粉乳生産
の一部がチーズ生産にシフトしているとみており、 95/96年度の生産量は、 最終
的に、 前年度を8%上回る25万3千トンに達するものと予想している。
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