● バター､ 脱脂粉乳の生産量が減少
ニュージーランド農業省は､ 先頃､ 95／96年度 (95年６月〜96年５月) の乳製
品生産量 (速報値) を発表した｡
これによると､ バター生産量は､ 前年度比５％減の28万５千トンとなり､ 前年
度に引き続き減少傾向を示した (前ページ右上の図を参照)｡ また､ 93／94年度
から２年連続で増加傾向にあった脱脂粉乳の生産量も､ 同７％減の14万トンとな
った (前ページ左下)｡
バターと脱脂粉乳の生産が減少した要因としては､ これらの品目の国際価格が､
95年後半に急騰して供給増と需要減が起こった結果､ 急落し､ 輸出採算性が悪化
したことが挙げられる｡ また､ 引き続き需要が堅調で､ かつ､ より高い収益が期
待できる全粉乳とチーズに､ 生産の一部がシフトしていることも影響していると
みられる｡
● 全粉乳､ チーズは６年連続の増産
全粉乳の生産量は､ 前年度比４％増の35万５千トンとなり､ ６年連続で前年度
を上回った (図Ａ)｡ また､ チーズ生産量は､ 同19％増の23万５千トンと､ 同じ
く６年連続の増加を記録した (図Ｂ)｡
この背景には､ これらの乳製品へ生産がシフトしていることのほか､ 生乳生産
の増加分が､ この２品目の生産に振り向けられたことも影響しているとみられる｡
なお､ チーズについては､ 95／96年度に世界一の生産規模 (年間７万トン) を
持つ工場が新たに操業を始めるなど､ 設備の拡大も生産の急増に寄与している｡
● 96／97年度はバター､ 脱脂粉乳も増加
なお､ ニュージーランド農業省は､ 96／97年度の乳製品生産量についても見通
しを発表している｡
これによると､ バターが前年度比５％増の30万トン､ 脱脂粉乳が29％増の18万
トン､ 全粉乳が４％増の37万トン､ チーズが６％増の25万トンとなっている｡ 95
／96年度に減産したバターと脱脂粉乳についても､ 増加を見込んでいるが､ これ
は､ これらの品目の価格の低下に反応して､ アジアを中心とした需要が再び盛り
返すとの予想を反映したものとみられる｡
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