96年の牛飼養頭数は前年を上回る (豪州)





● 干ばつの終息で肉用牛頭数の伸び率が回復


 豪州統計局 (ABS) は、 先頃、 96年3月末時点での家畜飼養頭数 (暫定値) を 発表した。  これによると、 肉用牛頭数は、 前年同期比2. 7%増の2, 362万頭となった。 肉 用牛頭数は、 牛肉輸出量の拡大を背景に、 90年代に入ってから増加傾向となって いるが、 92年以降は、 干ばつの影響などにより、 その伸び率は鈍化していた。 し かし、 厳しかった干ばつの影響がほぼ終息したことから、 今回、 頭数の伸び率は 回復傾向を示している。 特に、 前年の調査時点で大幅な減少 (前年比−7. 2%) を記録した12カ月齢以上の繁殖用雌牛が、 今回は同4. 8%増の1, 175万頭となり、 農家の保留意欲の高まりを示す形となった。  なお、 肉用牛の飼養頭数は、 主要肉牛生産地帯に当たるクィーンズランド、 ニ ューサウスウェールズ、 ビクトリアの東部3州で、 全体の約8割を占めている。

● 好調な乳製品市況を反映して乳用牛も増加


 一方、 乳用牛頭数は、 前年同期比5. 5%増の289万頭となり、 引き続き順調な 伸びを記録した。 乳用牛頭数は、 比較的干ばつの影響を受けることなく、 90年代 初頭にはほぼ250万頭前後で安定的に推移してきたが、 94年以降は、 乳製品の国 際市況が好調なことや、 こうした好況の継続を予測する酪農家が積極的な規模拡 大を行っていることを背景に、 増勢に転じている。  乳用牛の飼養頭数は、 最大の酪農州であるビクトリア州で、 全体の約6割を占 め、 他州を圧倒している。  なお、 同時に発表された豚飼養頭数は、 前年比1. 7%減の261万頭となり、 こ こ数年来の横ばい傾向を維持している。 また、 羊飼養頭数は、 同1. 3%減の1億 2, 161万頭で、 6年連続の減少を記録した。 州別家畜頭数(96年3月31日現在)         (単位:千頭、%) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 畜 種 ニューサウスウェールズ州 ビクトリア州 クィーンズランド州 全 国 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 肉用牛  6,185 [26.2] 2,728 [11.5] 9,821 [41.6] 23,622 (+2.7) 繁殖用経産牛 3,041 [25.9] 1,273 [10.8] 4,698 [40.0] 11,750 (+4.8) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 乳用牛  388 [13.4] 1,735 [60.0] 285  [9.9] 2,891 (+5.5) 経産牛 241 [12.5] 1,188 [61.7] 190  [9.9] 1,924 (+5.6) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 豚 724 [27.8] 467 [17.9] 633 [24.3] 2,609 (-1.7) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 羊 42,720 [35.1] 22,069 [18.1] 9,924 [8.2] 121,607 (-1.3) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― (注)[ ]は州別シェア、( )は対前年比    農業所得が年間5千ドル以上の農家のみを対象 (資料)ABS「Principal Agricultural Commodities Australia 1995-96」
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