牛肉団体、 需要拡大を強力に推進 (米国)





● 低迷する肉牛価格の回復が狙い


 肉牛生産者の団体で、 牛肉販売促進事業などを実施する全国肉牛生産者・牛肉 協会 (NCBA) は先頃、 夏の牛肉需要期に一層の消費拡大を図るため、 テレビ・コ マーシャルを始めとする、 さまざまな販売促進活動を展開すると発表した。  現在、 肉牛価格は、 供給の増加などを背景に低迷を続けており、 今年に入って からは、 ここ10年来で最も低い水準にまで落ち込み、 肉牛生産者の経営を圧迫し ている。 クリントン政権は、 こうした事態を憂慮して、 学校給食用の牛肉買い上 げなどの肉牛生産者への支援策を実施しているが、 今回の計画は、 生産者団体自 らが需要拡大による市況回復の努力を始めたものである。

● TVコマーシャルを1千回以上放映


 NCBAは、 テレビ・コマーシャルを販売促進の柱としており、 従来から好評を得 ている 「Beef. It's What's For Dinner.」 をキャッチフレーズに、 5月から9 月にかけて、 4種類のコマーシャルを合計1千回以上放映することを予定してい る。 これらのスポット広告は、 25歳から54歳までの女性をターゲットにしており、 視聴者が実際に食べてみたくなるような、 おいしそうな牛肉料理を紹介するとと もに、 その調理法 (レシピ) を示す内容となっている。  なお、 NCBAは、 放映期間中に、 5千6百万人の視聴者が、 一人当たり平均14回、 このコマーシャルを見るものと推計している。

● 雑誌広告掲載、 レシピ配布なども実施


 このほかに、 女性向け雑誌などへの広告掲載も予定されており、 テレビコマー シャルで取り上げた料理や、 近頃人気の高いエスニック料理など、 さまざまな牛 肉料理を紹介することになっている。 希望者には、 これらの料理方法を説明した パンフレットが配布される。 また、 全米の1万5千の小売店において、 牛肉を利 用した料理のレシピを配布することも予定されている。

● レシピによる消費拡大効果に期待


 NCBAのこれまでの調査によると、 牛肉を使った料理を消費者に紹介することが 効果的な消費拡大方法であるとされている。 例えば、 買い物中に牛肉料理のレシ ピを入手した消費者の23%が、 その場で牛肉を追加購入し、 また、 64%が牛肉購 入後2週間以内に当該レシピの料理を作ったという。  こうしたことから、 NCBAは、 レシピの紹介を中心とした販売促進の効果に自信 を深めており、 今回の販売促進計画の成果についても好結果を期待している。
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