豪州の牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○バターの輸出動向



● 数量ベースでは減少、 金額ベースでは増加


 昨年7月に始まった95年度のバター輸出量 (ギーおよびバターオイルなどのバ ター製品を含む) は、 ほぼ前年の水準を下回って推移しており (図1)、 96年2 月までの8カ月間では、 28.1%減の約4万2千トンとなった。  この背景には、 前年度の輸出水準が高かったことや、 これに伴って、 年度当初 の在庫水準が低下していたことが挙げられる。 しかしながら、 最近では、 昨年夏 から年末にかけての国際価格の急騰により、 豪州の主要輸出市場であるアジア・ 北アフリカ地域で需要が減退気味となっていることや、 記録的な生乳生産増で輸 出圧力が強まっているニュージーランド、 輸出補助金レートを下げずに輸出市場 でのバター処分に力を入れているEUなど、 他の輸出国との競争が激化しつつある ことも影響していると考えられる。  一方、 輸出金額ベースでは、 国際市場の記録的な高値を反映して、 8カ月間の 累計は、 前年度の水準を4.9%上回る約1億2千万豪ドル (FOB価格、 約94億円) となった。

● 上位5カ国で輸出量、 金額全体の6割


 前年度と同様、 主要輸出相手国 (ギーを除く) は、 タイ、 シンガポール、 エジ プト、 フィリピン、 インドネシアとなっている (図2)。  このうち、 タイおよびシンガポール向けについては、 数量では前年水準をそれ ぞれ4%、 41%下回った。 しかし、 金額ではいずれも増加を記録した (32%増、 11%増)。  また、 エジプト向けは、 前年度の同じ期間には約9千7百万トンと最大であっ たが、 米国の同国向け輸出が増加していることもあり、 今期は約3千8百トン (61%減) と大きく減少し、 3位となった。 また、 金額でも47%減となり、 2位 から5位に低下した。  なお、 フィリピンおよびインドネシア向けについては、 数量がそれぞれ5% 増、 25%増、 金額が44%増、 78%増と、 いずれも前年水準を上回っている。
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