● 年度全体では1%の増加
95/96年度 (7月〜6月) の脱脂粉乳輸出量は、 前年度比1%増の16万8千ト
ンとなった。
輸出量を月別にみると、 年度当初の在庫不足や、 95年末にかけての国際価格の
高騰による輸入国側の需要減退などから、 96年2月までは前年水準を大きく下回
って推移していたが、 3月以降は、 生乳生産量が前年同月をかなり上回って推移
したことや、 国際価格の値下がりによる需要の回復などを背景に、 一転して大幅
な増加傾向を示した (図1)。
なお、 輸出金額ベースでは、 国際市場での記録的な高値により、 95/96年度全
体では、 前年同期を44%上回る約4億8千万豪ドル (FOB価格、 約424億円) とな
った。
● 主要輸出先はアジア諸国
輸出動向を国別にみると、 主要輸出相手国は、 前年度に引き続きアジア諸国と
なっている (図2)。
このうち、 輸出量が前年度を上回った相手国は、 フィリピン (1%増、 4万2
千トン)、 タイ (52%増、 2万9千トン)、 日本 (28%増、 2万2千トン) であっ
た。 フィリピンは、 伸び率は低下したものの、 92/93年度から4年連続で首位
の座を維持している。
また、 大幅増となったタイは、 前年度の3位からマレーシアを抜いて2位に浮
上した。 なお、 タイは、 バター輸出でも重要な市場となっている (95/96年度の
バター輸出量全体に占めるシェア第1位)。 このため、 豪州酪農庁も、 今年6月、
豪州産乳製品の知名度アップを狙ったセミナーを現地で開催するなど、 同国向け
輸出拡大の基盤作りを進めている。
一方、 3位のマレーシアおよび5位のシンガポール向けは、 前年度を下回り、
それぞれ26. 8%減の2万5千トン、 15. 5%減の1万3千トンとなった。
元のページに戻る