NZの牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○96/97年度の生乳生産量および乳価の見通し


● 生乳生産量は前年を上回って推移


 96/97年度 (96年6月〜97年5月) の生乳生産量は、 9月までの4ヵ月間の累 計で、 前年度同期を5%程度上回って推移している模様である。  年度当初の7月から8月にかけては、 全般的に降雨の日が多く、 気温も低めの 状態が続いていたが、 9月以降は天候に恵まれており、 草地や牛の健康状態も良 好となっている。 また、 前年度に国際乳製品市況が非常に好調であったことから、 経営規模の拡大や酪農への新規参入が盛んとなっており、 搾乳牛頭数が前年度を 3%上回っていることも、 生産増の要因となっている。  10月後半になって、 生乳生産のピークを迎えているが、 現地報道によると、 ニ ュージーランド最大の乳業メーカー (同国での生乳処理シェア5割弱) のニュー ジーランド・デーリー・グループの1日の生乳集荷量は、 連日、 過去最高を記録 している。 また、 近年、 生乳生産量が急速に増加している南島にあるアルパイン ・デーリー・プロダクツ (ニュージーランド第5位、 同シェア5%) では、 生乳 集荷量の増加により、 乳製品生産量が前年度同期比40%増と大幅に上回っている と伝えられている。

● 96/97年度は前年度比2%増を予想


 96/97年度全体の生乳生産量は、 今後、 12月から2月までの夏の間の天候に大 きく左右されることになるが、 ニュージーランド農業省は、 干ばつ等に見舞われ ることがないものと仮定すると、 年度全体では前年度を2%上回る80万3千トン (乳固形分ベース) になるものと予想している。

● 乳価は前年度を10%前後下回る見通し


 一方、 生産者乳価*は、 過去最高を記録した95/96年度の4ドル (メーカー各 社の平均。 乳固形分1kg当たり、 ニュージーランド・ドル) を下回るものとみら れている。 これは、 乳製品の国際価格が、 前年度ピーク時と比較してかなり値下 がりしているためである (左頁右下の図を参照)。  ニュージーランド農業省は、 96/97年度の基本乳価を3. 15ドル〜3. 20ドルと 予想しており、 これにメーカーの上乗せ分を含めた生産者乳価は、 前年度比9% 〜11%安の3. 55ドル〜3. 65ドルになるものと見込んでいる。  * ニュージーランドの生産者乳価は、 ニュージーランド・デーリー・ボード   (NZDB) が毎年度末に定める基本乳価 (95/96年度は3. 60ドル) に、 各乳業   メーカーがそれぞれの企業収益などに応じた上乗せ分を加えて決定される。
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