台湾の豚肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○肉豚の価格動向


● 肉豚価格が大幅に下落


 わが国の本年7月からの豚肉輸入緊急措置 (SG) の発動以降、 肉豚価格の下落 が続いている。 本年6月のピーク時には肉豚100kg当り6, 786元 (約27, 144円‥ 1元=約4円) まで上昇した卸売価格 (全国22市場の平均取引価格) は、 7月に は約2年振りで対前年比でマイナスに転じ、 9月には5, 492元まで下落した。 こ れは、 前月の6, 253元と比較すると、 12. 2%安であり、 近年では最大の月間下 落幅となった。 さらに、 10月末の現地の速報値では、 殆どの市場で5, 000元を下 回っており、 現在のところ、 下げ止まる気配は見せていない。  この価格の急落は、 パッカーが、 SG発動を契機とした対日輸出 (総輸出量の約 9割を占める) の減少による在庫の積み増しを避けるために、 肉豚の買い付けを 控えていることにより生じているものである。 肉豚生産部門の利潤は、 生産コス トの4, 500元前後から判断すると、 大幅に低下しているとみられ、 養豚関係者の 間では警戒間が高まっている。 なお、 肉豚価格は、 今後、 過去3年間で最低水準 になる可能性があるとみられている。

● 政府は生産流通対策を決定


 こうした市況展開による肉豚生産者の懸念が高まっていることから、 行政院農 業委員会 (農業省に相当) は、 このほど、 当面の市況対策として、 生産、 流通の 両面での対策を講ずることを明らかにした。 すなわち、 主な方策としては、 一方 では、 市場への出荷調整を行いつつ、 年末をめどに2万頭程度の母豚淘汰に着手 する模様である。  また、 現地報道では、 生産者の所得対策として、 ここ5〜6年来発動したこと のない肉豚安定基金からの価格補填措置の実施を決定したとも伝えられている。
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