米国の鶏肉の需給動向


◇絵でみる需給動向◇

○ブロイラーの生産動向


● 96年第3四半期、 約8%増


 ブロイラー生産量は、 およそ過去20年以来、 国内外の需要の伸びに支えられて、 ほぼ一貫して増加傾向にある。 96年に入ってからは、 干ばつ等による飼料穀物価 格の高騰から生産コストが上昇したことで、 一時生産が停滞したものの、 その後 は再び拡大し続けている。  米農務省 (USDA) によると、 96年9月の生産量 (可食重量ベース、 骨付き) は、 前年同月に比べて4.9%増加の97万5千トンであった。 この結果、 96年第3四半 期は、 前年同期比7.8%の増加となり、 1月から9月までの累計では、 前年同期 比6.1%の増加となった。

● 増加傾向を示す、 ひな導入羽数


 USDAが公表している主要15州におけるひな導入羽数は、 今後のブロイラー生産 の増減を知る指標となるが、 これによると、 導入羽数は70年代後半以降、 年々増 加し続けている。  今年に入ってからは、 飼料穀物価格の高騰を背景に3月から8月にかけて前年 を下回る水準が続いたものの、 8月の最終週からは増加に転じ、 直近の9月の最 終週では、 前年の同週に比べて5.2%増加した。 これらのひなは、 今秋より処理 される予定であることから、 今後も継続的な増加が見込まれる。

● 生産増の要因は収益増加


 こうしたブロイラーの増産傾向の背景としては、 堅調な卸売価格に伴い収益が 増加していることが挙げられる。 飼料を中心とする生産コストが値上りしている ものの、 好調な輸出需要に支えられて、 それ以上に卸売価格が上昇しており、 生 産者の増羽意欲を高めている。  生産者の純利益 (加工業者段階) は、 96年に入り、 3月には一時赤字に転じた がその後は黒字に回復している。 9月は、 1ポンド当たり5.34セント (対前年同 月比53.8%減) で、 96年第3四半期の平均では、 5.41セント (対前年同期比52.8 %減) となり、 1月から9月までの平均では、 4.38セント (対前年同期比37.9% 減) となった。

● 今後も生産量は増加の見込み


 USDAが、 最近公表した今後のブロイラー生産動向によると、 96年第4四半期は、 前年同期に比べ5%増加の約301万6千トン、 96年の総計では、 前年比5.6%増の 1,198万2千トンになると予測されている。 また、 97年についても、 前年比5.6% 増加の1,265万5千トンになると見込まれている。 タイの鶏肉
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