豪州の牛乳・乳製品の需給動向


◇絵でみる需給動向◇


○脱脂粉乳の輸出動向



上半期の脱脂粉乳輸出は40%の大幅増加


 豪州の輸出統計によると、 96/97年度上半期 (96年7月〜12月) の脱脂粉乳の
輸出量は急増し、 前年度同期を40%上回る9万4千トンに達した。 

 これは、 生乳生産量が前年を上回って推移し生産が伸びたことや、 国際価格の
値下がりによる輸入国側の需要の回復などによるものである。 なお、 比較の対象
となった前年同期が国際価格の急騰により、 低い水準であったことも、 この 「急
増」 の原因である (図1) 。 

 

アジア6カ国に全体の83%を輸出


 輸出相手国別のシェアを見ると、 フィリピンが24%、 マレーシアが17%、 タイ
が14%、 日本が11%、 シンガポールが9%、 インドネシアが8%の順となってお
り、 これら6カ国で、 輸出量全体の83%を占めている。 このことは、 輸出依存型
の豪州酪農乳業にとって、 アジアが最も需要な市場であり、 その需要の動向を適
確に把握することが、 極めて重要であることを示している (図2) 。 

 

インドネシアへの輸出が急増


 このうち、 輸出数量が特に急増したのは、 第6位のインドネシアで、 114%も
増加 (7千トン) している。 また、 シンガポールが48%増 (8千トン) 、 マレー
シアが30%増 (1万6千トン) 、 フィリピンが20%増 (2万3千トン) となって
いる。 インドネシアの伸び率が群を抜いて大きかったのは、 同国では、 豪州やニ
ュージーランドから大量の乳牛を輸入するなど、 酪農の振興に力を入れているに
もかかわらず、 生産構造 (零細) や技術的問題から国内生産が伸び悩んでおり、 
乳製品の需要が、 それを上回るペースで伸びていることによるものである。 

豪州の脱脂粉乳の相手国別輸出量

 資料:豪州統計局「Export Statistics」

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